○恵まれた農業基盤(水田、畑ともに高い整備率)
○メロン、梨、葉たばこ、茶、畜産などの県でも有数の生産量をもつ農産物
○ワイン、いちごワイン、ウコンといった農産加工品
○農業の教育研修機関としての南稜高校
○山間部にある豊富な森林資源
○深田村にある工業団地用地
○数は少ないが独自の経営努力を行っている事業所、商店主など
ウ 参考になる他地域での取り組み例
先に時代の潮流としても触れているように、わが国の現在の社会経済状況では、ここ当分は外部からの企業誘致による産業の活性化には厳しいものがある。
このためには、地域の基礎産業である農林業を夢が描ける産業に大構造転換させる工夫が、これまで以上に求められることになる。この工夫ができなれば、取り組みが始まっている"夢ふくらむ「中くま」"の実現を目指した新町建設計画そのものが、魅力の乏しいものになりかねない。
農林業を付加価値の高い、夢が描ける産業に構造転換させることは中球磨地域だけの課題ではなく、全国の市町村に共通した課題である。しかしながら、地域の産業振興と定住促進のためには農業の高次産業化だけでなく、企業の誘致・育成・起業化支援などの取り組みが必要である。
以上のような課題に対して、各地で様々な取り組みが続けられており、それらの中には参考にしたい取り組みが多数ある。これらの中から次の取り組みを参考例として取り上げてみた(図表4-2)。
○農林業の高付加価値産業化
⇒農業の高収益事業化(岩手県東和町)
無農薬米・減農薬米栽培(宮城県丸森町)
有機農業の実践による他地域との差別化(宮崎県綾町)
○アグリビジネス企業化
⇒アグリビジネスの企業化支援(福岡県矢部村)
木工芸品による林業の高次産業化(宮城県津山市)
企業化支援よる雇用機会の確保(三重県宮川村)
○地域内産業の振興
⇒農村工業導入政策による定住促進(岩手県九戸村)