4省庁の津波のシミュレーションでも留意の必要がないとの観点から瀬戸内海を外してシミュレーションしている程である。また、阪神・淡路大震災の時も、船舶などの浮体や浮きドックなどは全く被害がなかったことが教示された。
○この他にも、メガフロートの費用積算に関しては、以下のような点に留意する必要があることが指摘された。
1] 8haの空間を創出する場合に、その対処の方法にはいろんな組み合わせがあり、結論はメガフロートだけではないのではないか。浮体でなくては出来ない部分とそうでない部分があり、例えば、埋立てと浮体構造物のハイブリッドにするという方法等の組み合わせがありうるのではないか。
2] 埋立ての場合は、その形状によって費用が大きく規定されるため、形状を変えればもっと安くなることが考えられる。
3] 耐用年数に関連してみると、単純な費用の比較ばかりでなく、メガフロートの場合はメンテナンス費用が将来的に必要になるのに対して、埋立地は将来ともに資産として残ることなどを明確に書いておくべきである。
4] 浮体構造物と埋立ての比較をするならば、メンテナンス費用も含めライフサイクルコストで比較しないと説得力がない。この点については、指摘に基づき、本調査研究においてメンテナンス費用を含むライフサイクルコストで試算している。
5] 費用内訳については、より詳細な積算根拠を載せるべきである。
6] 費用積算に含まれていないものとして何があるかを明記しておくべきである
○他方で、埋立て費用の積算においては、“呉港阿賀マリノポリス地区整備事業”の実績を参考に試算しているが、広多賀谷地区の埋立地を沖出しする場合、広湾はさらに場所の条件が厳しいためその費用はさらに大きくなる可能性があることが指摘された。
○波及効果の検討について、現状は広島県発で広島県内への波及効果が示されているが、これに加えて広島県発で全国への波及効果、全国平均の波及効果(公共事業の効果を示す乗数効果に当たる)についても記載すべき。
○メガフロートの用途に関連して2層構造化、内部空間の高さなど、設計上の問題が生じるのではないかということが指摘された。この点に関しては、業界団体関連委員から、使い方に応じていかような形状にも設計可能であることが指摘された。