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製造業の中でも、船舶・同修理の特化係数が5.14であり、対全国シェアが13.3%にものぼっている。そして、これに次いでは鉄鋼業が特化係数3.22、対全国シェア8.35%になっている。この他には自動車、衣服、製材・木製品、一般機械、家具・装備品の5業種において特化係数が1.00を上回っている。

他方、第3次産業は特化係数0.92であり、これは製造業のシェアが大きいために特化係数が1.00を下回ったものと考えられる。第3次産業の中で特化係数が1.00を上回るのは、商業(1.23)、運輸(1.22)の2業種である。

また、建設業は生産額のシェアは8.0%と自動車、鉄鋼に次ぐ規模となっているが、の特化係数は、0.78と全国平均のシェアを下回る状況になっている。

 

次に、呉市及び呉広域市町村圏の産業構造を広島県と比較すると(平成8年事業所・企業統計調査報告による従業者数ベース)、図表2-7に示すように、広島県の特徴がより増幅される形で表面化してきている。すなわち、

・呉市及び呉広域圏では、全国と比較して製造業に特化している広島県と比較しても、特化係数が1.00を上回っており、それ以上に製造業に特化していることが判る。

・呉市及び呉広域圏では、船舶と自動車によって代表される輸送用機械の特化係数は、呉市においては1.08、呉広域圏においては1.29となっている。広島県において輸送用機械の特化係数が大きいのは、広島市及び周辺のマツダを頂点とする自動車・同部品産業集積が形成されているためであり(図表2-6の生産額シェアでみると自動車が10.1%を占め、船舶・同修理の8倍以上の比率となっている)、他方で、呉地域では、船舶・同修理の集積の大きいことが特化係数を大きくしていると考えられる。従業者数の地域全体に占めるシェアも、4.3%、5.1%と高くなっている。

・鉄鋼業の特化係数も同様に、それぞれ3.08、2.67と県平均を上まわる集積上の特徴を示している。そして、従業者数の地域全体に占めるシェアも、3.4%、3.0%と高くなっている。

・一般機械も同様に対県特化係数が1.54、1.49と1.00を上回っており、しかも従業者数シェアが4%を上回っている。

・繊維、衣服、家具・装備品の特化係数は1.00を大きく下回っている。また、木材・木製品の特化係数は1.00を上回っているが、従業者数シェアは1.0%に満たない状況である。

・建設業従業者数のシェアは8%前後であり、対県の特化係数は0.83、0.87と1.00を下回っている。先にみたように、広島県の対全国特化係数が1.00を下回っていることからすると、呉市及び呉広域市町村圏の建設業の集積度は低いと言えよう。

このような呉市及び呉広域の産業集積の特徴からみると、埋立てによる波及効果以上に、メガフロート建設に伴う波及効果の方が大きくなることが予想される。

 

 

 

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