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(エ) 呉地方拠点都市地域における防災活動シーンに対応した機能

平成10年度調査により検討した呉地方拠点都市地域で想定される防災活動シーン(図表1-16)を踏まえると、当該地域では、以下の点が懸念される。

・山稜に囲まれた同地域では、陸路が寸断され周辺地域から孤立化する可能性が考えられる

・背後の市街地は平坦地やオープンスペースが少ないため、避難・収容スペースの不足が懸念される

・空路(ヘリコプター)のみでは、緊急物資や被災者の搬送可能量に限界がある

・同地域が多数の島しょ部から構成されており、平常時から海上交通への依存度が高い

・一旦陸路の鉄道・道路が寸断されれば、阪神・淡路大震災時の教訓からも復旧には数週間から1ヶ月以上の時間を要する。その間の代替交通ルートとして海上交通が重要と考えられる。特に当該地域は、広島市への通勤・通学者が多く、被災者の早期生活復旧上重要である。

 

これらのことなどから、港の役割の重要性が浮かび上がってくる。図表1-15にイメージするように陸路、空路の対策とともに、海路においても災害時の不測の事態に臨機応変に対応できるよう、応急活動から復旧・復興活動を支援する一連の機能を呉港に整備することが望ましいと考えられる。

 

図表1-15 災害時の呉港の役割のイメージ

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