(産業構造の転換と技術革新)
従来のモノづくりを中心とした産業に加え、情報通信技術を活用したネットワーク型の産業がわが国の先導的産業の一つとして飛躍的に伸びている。高付加価値製品・サービスの生産に向けて、必要とされる技術力・ノウハウはますます高度化、多様化しており、生産者は知識の蓄積とリニューアルをますます体系的に進めていかなければならなくなっている。
産業構造の大きな変化により、高等教育を必要とする新しい職業も増加し、従来高等教育が対象としてこなかった新しい分野の人材の養成も求められるようになっている。また、社会の高度化、複雑化が進展するため、多くの職業分野において高度な知的能力や専門性を必要とする業務が一層増加していくことに対応して、高度の専門的知識・能力を身につけた高等教育修了者への人材需要が高まっている。
(雇用形態の変化と雇用創出への需要の増大)
長期化する不況も相まって、企業のリストラ、新規学卒者の就職率の低迷など、雇用不安が広がっている。このことは同時に、契約社員の増大や能力給へのシフトなど雇用形態の転換をもたらしている。同時に、起業へのニーズを強め、大学においてもベンチャー講座などの起業への準備が求められている。また、情報通信技術の発展により、SOHO型の就業形態が今後ますます増加するものと予想されている。
(生涯学習ニーズの増大)
高齢化の進展や、国民一人一人が物質的豊かさから次第にゆとりや心の豊かさなど多様な価値や自己実現を求めるようになっていることなどを背景として、生涯学習の需要が高まり、高等教育機関は、幅広い年齢層の人々の知的探求心にこたえて必要なときにいつでも学習できる、より開かれた場となることが求められている。
また、社会人が必要に応じて高等教育機関において学習を行いその成果をもって更に活躍するという、高等教育機関と産業界等との補完関係がますます強まっている。