沖縄の暖かさ、さらには蒸し暑さの面からは、具志川市が掲げる“グリーンシャワーシティ”、沖縄市のパークアベニュー、あるいは、中城城跡公園、読谷村の緑など、容赦なく照りつける日差しから逃れ、潤いを感じることができる景観形成への取組を推進する必要がある。住宅や商店などが密集した市街地部の景観、さらには、都市計画そのものへの住民の関心や実践を拡充するための学習活動の展開、これを具体的に支援できる専門的知識や技術を有する人材の育成も欠くことができない。
ここまで、沖縄を、また、中部圏をめぐる諸状況から、地域の明日を担う人材の育成や確保に関連して述べてきた。そこからは、キーワードとして、まず総論あるいは大前提の「自立性、自律性、主体性などに溢れる住民像」、つぎに、「国際性」、「語学・外国語」、「文化」、「基地」、「産業経済」、「情報」、「福祉・保健」、「亜熱帯気候のもとでの自然資源、自然環境・景観」などが浮かび上がってきた。
それら個々のキーワードの中から、中部圏の現状や将来を見据えて、どれとどれを選択するか、すなわち、人づくりに向けての具体的な取組課題とするかは、また、どういったシステムで取り組んでいくかも、次年度以降の広域市町村圏の場での検討にゆだねることにしたい。
具体論は次年度に譲るにしても、地域活性化や地域ニーズヘの新たな取組については、当然のことながら、上述のそれぞれのキーワードヘの取組を担う“担い手論”の明確化が求められることになる。このための人材の育成・確保への取組については、以下の三つが、検討作業の視点であるとともに、次年度以降の具体的かつ主要な検討されるべき課題でもある。
〔分析、検討作業の視点イコール今後の主要な検討課題〕
1]大学などの高等教育機関や研究開発機関による地域との交流・地域への開放、産学連携の促進、高等教育機関や試験研究機関の連携ネットワークの構築など
2]取り組むべきキーワードに即した大学などの高等教育機関のあり方
3]さまざまな機会と場を活用して住民が身近な地域で学習する環境づくり