ウ 土地・建物の状況
調査対象地域の用途別建物延べ床面積をみると、旧市街地であることから、住宅比率、商業・業務比率、医療・文教・宗教施設が市平均に比べ高くなっている。
建物の構造については、木造と鉄筋コンクリート造が各々4割を超え、市平均に比べて木造と鉄筋コンクリート造の割合が高くなっている。これは古い木造建物と駅前の商業ビルやマンションなどが混在している状況を示している。
建築時期別には、昭和40年以前の建物が48%を占め、市平均30%と比べ、古い建物がかなり多いといえる。
駅北のエリアには、老朽木造住宅の空き家がかなり分布している。木造老朽住宅については、江戸時代から昭和初期の伝統的な建築様式の趣のある建物も残っており、まちなみづくりや歴史・文化を尊重する観点からは、こうした建物の保全活用が望まれる。なお、阪神・淡路大震災によりこれらの建物はかなりの被害を受け、最近取り壊されたものもある。
エ 法規制の状況
調査対象地域の都市計画用途地域は次図のとおりであり、池田駅を中心に商業地域になっており、その外周に近隣商業地域、第一種住居地域が広がっている。五月山南山ろくは第一種中高層住居専用地域であり、室町住宅は第一種低層住居専用地域、阪急池田駅北西部は準工業地域、中央線の沿道の一部は第ニ種中高層住居専用地域となっている。また五月山山ろくには風致地区が指定されており、池田駅前は高度利用地区が指定されている。
都市計画以外の法規制としては、調査対象地域北部の五月山に近郊緑地保全区域、五月山景観保全条例による景観保全地区(建物の新築や現状変更などについて規制がある)が指定されている。