このような物流環境の変化に対応して、物流系企業(流通業やメーカーの物流部門を含む)は、前項で触れたような「物流業務の外部委託」の動きへの対応能力を高めるために、BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)への取組、フルターンキーサービス、3PL(サードパーティ・ロジステックス)(注1)、SCM(サプライチェーン・マネジメント)(注2)等新しい概念のサービスの提供を行っている。そして、このような新しいサービスの提供に連動する形で、物流センターの整備がすすめられている。
(注1) サードパーティ・ロジステック……荷主や物流専門業者以外の業種から物流システムを構築する等して物流業務に参入する企業であり、商社や情報会社、コンサルティング会社のように、倉庫等の施設やトラック等の輸送手段を持たない企業がそのような業務を担うことが期待されている。
(注2) SCM(サプライチェーン・マネジメント)……商品の最終需要者から最初の供給者までのビジネスプロセスの全体を通して企業の枠を超えてシステムネットワークを構築し、消費者ニーズにあった商品をスピーディに適正な価格で提供する。
BPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)による物流サービスの高度化は、物流機能の集約化・統合化、専門的サービス等の付加価値の確保等が挙げられる(図表3-23)。また、こうしたBPRの一例として、物流企画から荷役、流通加工等の作業、配送、在庫管理、輸送管理、物流管理等の物流関連のサービスを一括して請負うフルターンキーサービス等がある(図表3-24)。