日本財団 図書館


(イ)事業全体の枠組み

環境事業団が都市公園となるべき緑地を整備し、完了した後に都市公園管理者となる地方公共団体へ譲渡する(図表3-14参照)。地方公共団体は、譲渡前に都市公園とするための計画決定を行う必要がある。また、譲渡後の管理運営をどのような形で行うかが、重要な課題となる。

事業費の面では、地方公共団体は、用地・補償費の3分の2、施設整備費の2分の1、管理運営等については、全額負担する必要がある(図表3-15参照)。

 

(ウ)事業の対象地

廃棄物最終処分場跡地の場合は、原則として廃棄物の埋め立てが終了し、開口部を閉鎖した時点から廃棄物等の分解が進み、周辺の環境を汚染する懸念が解消され、廃棄物最終処分場が廃止されるまでの間に緑地を整備する。このため、廃棄物最終処分場の保全、維持管理への十分な配慮、必要な土壌環境保全対策を行うことが必要となる。

 

(エ)調査

事業にあたっては、以下の5つ基礎的な調査を行い、対象地の安全性の確認を行う。

1]廃棄物の埋め立て履歴・安定化状況の確認

2]処分場施設の点検・確認

3]埋め立て形状の安定性の確認

4]浸出水、発生ガス等の種類と量の確認

5]周辺地域の土壌、河川、地下水水質とそのモニタリング

 

(オ)計画・設計

造成計画では、盛り土、廃棄物の分解等による沈下、堰堤等貯留構造物、浸出水等集排水設備、遮水構造物等への影響、地盤強度、廃棄物埋め立て地形の安定性等の検討などを行う。

施設導入計画では、基礎構造物、埋設物の形状、施設荷重の検討、樹木根系等を検討する。発生ガス対策として、公園緑地利用者や植物等への影響、ガス放出システムの検討を行う。

 

(カ)施工時の留意事項

施工段階では、対象地の特性上、掘削などの制限、処分場施設の養生、発生ガス対策、悪臭対策、防塵対策、雨水等の排水対策に留意する必要がある。また、環境保全の観点から、浮遊粉塵、排水・地下水・周辺河川の水質、周辺土壌の汚染状況、地盤沈下などを継続的にモニタリングする必要がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION