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(ウ)ESCO事業の導入可能性

ESCO事業が実際に各団体で導入可能かどうかについての質問に対する回答では、全体では、「現状では活用できないと思う」とする団体が44.7%を占めている。一方、「活用が可能と思うが今後その可否について検討してみたい」とする団体も43.8%とほぼ同数の回答が見られた。より積極的な回答として「できれば活用する方向で検討してみたい」とする団体は4.4%にとどまっている。また、その他の回答として、「どの程度の規模から対象となるのか分からない」といった疑問も寄せられている。

これを団体の規模別で見ると、「活用する方向で検討したい」とする団体は、規模に関係なくほぼ一定でおおむね4〜6%の問に収まっている。一方、「今後その可否について検討したい」とする回答では、20万人以上の市では69.7%と高い関心が寄せられている。以下、5万人以上20万人未満の市では52.8%、5万人未満の市では51.4%、2万人以上の町村では44.6%、1万人以上2万人未満の町村では46.2%、1万人未満の町村では37.6%となっている。

「活用できないと思う」と答えた団体では、1万人未満の町村が50.9%と最も高く、以下2万人以上の町村が43.9%、1万人以上2万人未満の町村が43.6%、5万人未満の市が36.8%、5万人以上2万人未満の市が33.6%、20万人以上の市では16.2%となっている。

以上の調査結果から省エネルギーや地球環境問題についての関心と、その対応については規模の大きい団体ほど進んだ意識がうかがえる。一方で、小規模な団体にあっては今ひとつ対応が遅れがちなのではないかと推察される。地方自治体における対策は、公共施設等の省エネルギー化や地球温暖化防止対策の実施それ自体が大きな効果を期待されると同時に、一般市町村民にとっても身近なモデル事例として普及が望まれるだけに、一層の努力を傾注していて頂きたいものである。

 

図表3-11 地方自治体におけるESCO事業の導入可能

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資料:「地球温暖化防止に向けての地方公共団体の取組に関するアンケート結果」自治大臣官房企画室、平成11年12月

 

 

 

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