第2章 地方公共団体の取組
1 地球温暖化防止に向けての地方公共団体の取組に関するアンケート結果
本研究会において、地球温暖化防止に対する地方公共団体の取組についてアンケート調査を行った。調査結果の概要は、次のとおりである。なお、アンケート結果の詳細は、本報告書の末尾に添付した資料を参照していただきたい。
I. 調査の概要
平成11年10月26日〜11月26日を調査期間として、都道府県を通じて全市区町村を対象に行った。回収率は94.4%であった。
II. 施策体系における温暖化防止の観点の位置づけ
温暖化防止対策の担当組織があると回答した団体は全体の約30%であるが、人口5万人以上の市では半数以上の団体で担当組織を置いている。総合計画・基本構想において温暖化防止施策を位置付けている団体は全体では2割に満たないが、平成10年度、11年度に総合計画等を策定した団体においては、30%以上の団体が総合計画において位置付けを行っている。総合計画と別に環境基本計画を策定している団体は、全体の4分の1程度であるが、人口20万人以上の市では60%以上の団体が環境基本計画を策定しており、また、環境基本計画を策定している団体のうち平成10年度、11年度に環境基本計画を策定した団体においては、6割近くが、温暖化防止施策を位置付けている。
「III. 温暖化防止のための地域施策」
全体の80%以上の団体で「10]分別回収やコンポスト化の推進」、「11]リサイクルの推進」に取り組んでおり、全体の50%以上の団体で「12]森林の保全・整備」、「16]広報誌作成等による普及啓発」に取り組んでいる。施策の実施率は、概ね市町村規模が大きくなるほど高くなっており、人口20万人以上の市では、「2]ごみ焼却余熱の利用」、「13]市街地緑化の推進」についても80%以上の団体が取り組んでいる。
施策を実施していない理由としては、財源問題をあげる団体が多いが、他方、例えば、「4]自転車の利用促進」については、そもそも傾斜地では不向きであり、「5]公共交通の利用促進」については、利用できる公共交通がほとんどない地域では施策として実施しがたいこと、また、緑に恵まれた地域では「13]市街地緑化を推進」する必要性は低いし、開発行為の少ない地域では「14]温暖化防止の観点から開発行為を指導すること」は少ないこともあり、単に施策を実施していないからといって問題ありというわけではない。