3.2 モデル機の製作
3.2.1 モデル機の設計
(イ) 安定器ユニットおよびコントロールユニットの詳細回路図の設計を実施した。特に小形・軽量を目標に設計作業を実施した。
(ロ) 安定器ユニットおよびコントロールユニットのプリント基板の設計を実施した。
船舶用としての耐環境性を十分考慮し、プリント基板のパターン配線幅を広く設計するが、反面プリント基板が大きくなり、研究テーマの「小形化」にすることに、おおいに苦慮した。
(ハ) パターン設計と部品配置に関しては、電磁波障害試験で問題が発生しないよう、設計段階より「EMC対策」誌などを参考に実施した。
(「'94EMC・ノイズ対策技術ガイド」より)
3.2.2 モデル機の製作
(イ) スイッチングトランスの試作品を製作した。
入力電圧仕様が、調査・研究の目的でもある100V〜440Vと広く設定したために、特性が目標より下回り再々に亘り検討・設計変更を実施した。
(ロ) 安定器ユニットの、スイッチング回路部単品通電実験を実施した。
入力電圧100V〜220Vまでは、ほぼ設計値どおりのスイッチング性能を発揮するが、入力電圧が440Vではスイッチングノイズが設計安全率を大幅に超え、スイッチング素子のIGBTが電圧破壊した。
結果的には、IGBTの耐電圧特性を1ランク高いものを使用することとした。
(ハ) 上記(ロ)のIGBT破壊に伴い、破壊要因であるスイッチングノイズを抑制する働きのスナバー回路の乗数を検討したが、残念ながらAC440Vもの入力電圧でのスナバー回路の事例がなく、回路乗数はカット・アンド・トライにより決定することとした。2月3日現在解決のメドは立っていない。
(ニ) コントロール・ユニットを製作した。
各ユニット毎にそれぞれ点灯表示・消灯表示・過電流警告表示・エラー表示などを表示灯にて点滅表示させ、故障診断できることを確認した。