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2. 主介護者の介護負担度と主観的幸福感との関係

主介護者の介護負担度と主観的幸福感との関係を図に示す。介護負担度の増加とともに主観的幸福感は有意に減少した(r=-0.426、p<0.05)。

 

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図1 主介護者の介護負担度と主観的幸福感との関係

 

3. 主介護者・被介護者の背景的特徴からみた主介護者の介護負担度(表6、表7)

主介護者における負担度については、介護者側では同居者がない(p<0.05)、経済的余裕がない(p<0.01)、息抜きがない(p<0.05)、介護期間が長い(p=0.06)ほど大きくなり、被介護者側では意志の伝達ができるほど大きかった(p<0.05)。

4. 主介護者・被介護者の背景的特徴からみた主観的幸福感(表6、表7)

主介護者の主観的幸福感については、介護者側では経済的余裕がある(p=0.075)、趣味活動がある(p<0.05)、息抜きがある(p=0.052)ほど大きくなり、被介護者側では年齢が高くなるほど大きかった(p<0.05)。

5. 主介護者における介護負担度および主観的幸福感の精神的健康への影響(表8)

主介護者の精神的健康状況で治療が必要とされる状態、すなわち抑うつスコア(SDS)では中等度以上(48点以上)、精神的健康度(GHQ)では4点以上のものは、有意に介護負担度が大きく(各々p<0.01、p<0.05)。抑うつスコア(SDS)で中等度以上のものでは主観的幸福感も有意に低かった(p<0.05)。GHQ項目中介護負担度と有意な関係を認めたものは、集中(p<0.05)、睡眠(p<0.01)、生きがい(p<0.01)、ストレス(p<0.01)、自信(p<0.05)の有無であり、主観的幸福感とはしあわせの有無(p<0.01)であった。

 

 

 

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