3. 被介護者の有無による地域行事への参加、運動や仕事への従事との関係
表3に示すごとく被介護者のいる群ほど地域行事への参加、運動・仕事へ従事する人の割合が有意に低かった(各々p<0.001)。
表3 被介護者の有無による地域行事、運動や仕事への従事との関係

4. 多変量解析による主観的幸福感に関するパラダイム
主観的幸福感を取り巻く背景因子を説明変数とする重回帰分析では(表4)、被介護者の存在も説明変数として残り、有意な正の偏相関を示した。
表4 主観的幸福感に関するパラダイム

被介護者の存在(1.いる 2.いない)
食欲・睡眠・記憶状況、性別は残らなかった。
5. 主観的幸福感と介護負担度との関係
被介護者のいる人について検討した主観的幸福感と介護負担度とは、有意な相関を示した(N=235、 Pearsonの相関係数:r=0.322、 p<0.001)。
B. 事例調査
1. 対象の概要(表5)
主介護者については、被介護者が男性例では16例中15例までがその配偶者であり、年齢は74(59-85)歳、介護期間は4.6(1.0-15)年、女性例では嫁が13名、娘が2名であり、年齢は60(47-70)歳と前者より有意に若く(p<0.01)、介護期間は5.6(1.0-13)年であった。
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