4 あとがき
平成8、9及び10年度にわたり携帯電子機器から電磁干渉が航空機搭載通信・航法装置等に及ぼす影響について調査研究を行ってきました。
平成11年度は過去の成果を踏まえ、機内に設置するEMI検出装置の開発に必要となる基礎データを取得するため試験用の電磁波測定装置を開発し、実運航中の機内電磁波環境の測定を実施した。
B777機を用いて、実運航中の機内で航空機が運航に際し使用している100MHzから2500MHzの広い周波数帯域にわたる電磁波レベルを測定致しました。
今後は、平成9年度に実施した、B777による機内から航空無線アンテナまでの経路損失の測定成果等を活用して、今回測定したデータを「機外の到来電磁波」、「機体固有の電磁波」及び「機内客室の携帯電子機器が発した電磁波」であるかを詳細に分析する必要があります。
分析した結果から、航空機内で使用する携帯電子機器から放射される電磁波を検出するEMI検出器の開発仕様を定めるに必要な技術要素を見出すことができると思われる。また、国内における事例の調査結果からも、測定結果を詳細に分析する際に必要な要件が見出せるので、今後も、事例調査は継続する必要があると思います。