2.2 電磁波環境測定用機材の概要
電磁波測定用機材(以下電磁波測定装置と云う)電磁環境測定装置は乗客が搭乗して運航している機内の電磁波レベルを離陸から着陸するまでの時間を測定する装置である。この装置は航空機に搭載するための環境要件を満たす設計製作をおこなった。特に、測定装置自体の電磁波放射を極力少なくし、RTCA/160C SECTI0N21(Environmental Conditions and Airborne Equipment Section 21Emission of Radio Frequency Energy)のCategory A&Zを満たす製作をした。
2.2.1 測定システムの概要
測定装置の構成品と構造及び機能、性能等の概要は次の通りである。
(1) 電磁波測定装置の概要
1) 構成品の概要
測定装置は機内への持ち込みが容易で、且つ、迅速な装備と試験準備を可能とした構成品・構造にした。測定装置は内部電源を有し、1.5時間の連続運転ができることが重要な要件である。
以下、主な構成品とその性能機能概要を次に示す。
1]アンテナサブシステム
測定周波数100MHz〜2500MHz(VSWR≦5)の広帯域案アンテナである。
2]スペクトラムアナライザ
電磁波レベルを測定する測定器にはアドバンテスト製 U3641 型スペクトラムアナライザ(以下スペアナという)を用いた。この測定器の性能・機能概要は次の通である。
a. 周波数範囲 9kHz〜3000MHz
b. ダイナミックレンジ -135dBm〜+10dm
c. 重量 本体6.9kg、バッテリ装備時9kg
d. 外観寸法 148mm(H)×2911mm(W)×330mm(D)
e. RS-232またはGPIBリモート・コントロール
f. バッテリ動作で1.5時間の動作ができる。
3]ノート型パーソナルコンピュータ
FMV-6366NL/L(富士通製)のノード型パーソナルコンピュータ(以下パソコンという)を用いてスペアナを制御する。また、測定した結果のデータは記録する。
パソコンには下記4]項に示す、ソフトウェアを作成してインストールされている。
4]測定ソフトウェア
測定用ソフトウェアのフローチャートを次に示す。