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4.5.1 コンテンツのあり方

本試用システムの取り扱う情報は、気象情報、トラフィック情報、位置情報、および出発・到着通報であり、小型機運航において必要となる情報の多くの部分をカバーするものであるといえるが、それぞれの情報の内容(コンテンツ)は限定されているほか、リアルタイム性の高いデータの取り扱いは困難である。

前節において比較対象とした各システムのうち、MITRE社が研究・開発を行っている多目的放送型データリンクシステムは、情報提供に特化したシステムであり、放送型、ハイブリッドTDMA方式の採用による通信効率の向上を実現してリアルタイム性のあるコンテンツ提供を可能としている。

また多目的放送型データリンクシステムの取り扱う情報はコックピットダウン設計によりパイロット側ニーズを充分に汲み取ったコンテンツ提供を実現しているが、将来のニーズの多様化への対応は困難である。

将来の小型機運航に対する地上支援システムにおいては、必要に応じてリアルタイム性のあるコンテンツ提供を可能とし、機上においては必要な情報を必要な時に参照することが可能となる必要がある。また、パイロットの負荷軽減のため、システムがコンテンツを適切に取捨選択し、パイロットに提供することが望ましい。

上記のシステムを実現する一つの方策として、地上側小型機運航支援データベースサーバへの機上からのアクセス、エージェント技術の適用、放送型データリンクの併用等が考えられるが、これらの技術の適用可能性について、今後さらに検討を行っていく必要がある。

 

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図4-18 将来におけるコンテンツ提供方式の例

 

 

 

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