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3.3.7 伝送成功率・遅延時間の検証

 

ACARSの通信プロトコル上、ダウンリンクメッセージ(位置通報)には不達は発生しないが、試験機体においてダウンリンクメッセージをモニターした17結果、ダウンリンクメッセージの再送が発生していた。ダウンリンクの再送発生原因として、

 

・ダウンリンクメッセージは正常にRGSに到達していたが、RGSからのACKが受信出来なかった(アップリンクの不達)。

・ダウンリンクメッセージが正常にRGSに到達していないため、RGSがACK返答を行わなかった(ダウンリンクの不達)。

 

しかし、位置通報(ADS)レポートの伝送遅延時間が非常に大きい(図3-34)ことを考慮すると、ダウンリンクメッセージ自体がRGSに不達であったと予想される。

一方、アップリンクメッセージの不達が発生した要因としても、機上評価装置からのダウンリンクメッセージ(ACK)がRGSに到達していないことが予想される。表3-32、図3-43にその根拠を示す。

 

表3-32 不達発生のプロセスとその根拠

104-1.gif

 

17機上キャビンに持ち込んだ市販のACARSデコーダによりダウンリンクメッセージのモニターを実施した。前述したように、ダウンリンクの場合はRGSからのACKを受信する(通信が成功する)まで機上評価装置は再送し続ける。その結果、送信したダウンリンクメッセージに対応するACKをRGSから受信できない場合、その後の全てのダウンリンクメッセージが「待ち状態」になる。

 

 

 

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