一方、メッセージの暗号化は状況に応じて、秘密鍵と公開鍵を使い分けるのが一般的である。秘密鍵暗号方式で通信を暗号化するには、通信相手にも秘密鍵を知らせる必要があるので、同じ秘密鍵を使っている場合は、通信相手が増えれば増えるほど秘密鍵が外部に漏れる危険性が増大する。そのため、通信相手ごとに異なった秘密鍵を用意する必要がある。これに対して、公開鍵暗号方式では、通信相手には公開鍵を公開するだけで秘密鍵が洩れる心配はなく、メッセージの暗号化に適している。ただし、公開鍵を使った暗号・復号化は非常に時間がかかってしまう。
従って、信頼できる通信相手との通信には暗号・復号化が高速な秘密鍵を、機密性を求める通信にはセキュリティを確保しやすい公開鍵を使ったほうがよい。
3 ファイアウォール・サーバによるアクセス制御
内部ネットワークをインターネットに接続することにより、インターネット側からその組織内のネットワークに不正侵入されるリスクが生まれる。ファイアウォールは、そのような不正な侵入などといった外部からの脅威を減少させるとともに、組織内部からの不用意な情報の流出を防止するための装置であり、アクセス管理のためのツールである。