ア 秘密鍵暗号方式(Private Key Cryptography)
一つの同じ鍵を用いて、メッセージの暗号化と復号化を行う方式。対称鍵暗号方式とも呼ばれる。この方式では、メッセージの送り手と受け手の両者が、同一の鍵を持つ必要がある。この方式のセキュリティは、鍵の保護がどれほど万全であるかにかかっている。秘密鍵暗号方式は主に、コンピュータのハードディスクに保管した情報を保護するためや、特定の相手に対する1対1通信の場合に用いる。通信に用いる場合、相手一人一人に対して秘密鍵を一つずつ用意する必要がある。代表的な、秘密鍵暗号系の暗号アルゴリズムは、DES(Data Encryption Standard)である。
イ 公開鍵暗号方式(Public Key Cryptography)
公開鍵を用いてメッセージを暗号化し、秘密鍵を用いてそれを復号化する方式。これは、非対称鍵暗号方式とも呼ばれる。公開鍵暗号方式は、主に電子メールなどのデータの送信元と正当性を保証するために用いるデジタル署名などに使用する。
この方式では、各人が自分の秘密鍵を持っており、それに対応する公開鍵を公開する。例えば、AがBにメッセージを送る場合、AはメッセージをBの公開鍵で暗号化し、その暗号文をBに送る。暗号文を受け取ったBは、Bだけが持っている秘密鍵で復号化し平文を得ることができる。
代表的な公開鍵暗号系の暗号化アルゴリズムとしてRSA(Rivest, Shamir, Adelman)やDSA(Digital Signature Algorithm)がある。