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2. 未利用エネルギーの活用

 

地球温暖化対策をはじめとする地球環境対策や従来からの公害対策の中で、新技術の開発は重要な役割を担っています。交通機関の二酸化炭素や窒素酸化物などの排出を抑制するための技術や交通システム全体として環境負荷を少なくする技術開発が急がれるとともに、今までは利用されていなかったエネルギーを活用するための技術の開発が進められています。

例えば、波力を電力に変換する防波堤の開発や、廃熱の利用などによる地域冷暖房システムの導入、太陽電池発電の駅ビル照明や航路標識への利用などがあげられます。

さらに、沿岸域の特性を活かし、港湾や海域における風力発電施設の導入について検討が進められています。

 

●波力発電システム

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●波力発電のしくみ

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■環境にやさしい灯台

海上保安庁では、船舶の安全かつ効率的な運航を確保するため、灯台や灯浮標など約5,500基の航路標識を設置・管理していますが、海上、離島、岬、岩礁、浅瀬等に設置される航路標識は、その立地条件の特殊性から商用電源の利用が困難な場合もあり、商用電源に代わる代替エネルギーの確保が必要不可欠です。

これらの航路標識の電源確保にあたっては、環境負荷の低減化、省エネルギー化を考慮し、風力、太陽光、波力といった自然エネルギーの利用拡大が図られており、現在、全基数の約30%にあたる約1,600基の灯台、灯浮標等の電源に自然エネルギーが利用されています。

 

●環境にやさしい灯台

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