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IV. 事業者から見た課題と今後の方向性

 

今回のモデル事業に参加することで各事業者の自転車持ち込みに対する認識は一層深まったと見られるが、一方では自転車持ち込みを実施する上での問題点や、解決すべき課題が改めて浮き彫りになった。自転車持ち込みを円滑に推進するための今後の方向性などについて、各事業者に聞いた。質問項目は以下の通り。

1]モデル事業で明らかになった自転車持ち込みの課題、問題点は。

2]今後の自転車持ち込みの実施予定は。

3]車両等施設改造の可能性は。

4]自転車持ち込みに関して、沿線住民に対し、どういった啓発活動を展開していくか。

1) 近畿日本鉄道

1]平成10年から、日祝日や春休み、夏休み期間中に自転車持ち込みを実施しており、今回、とくに新たな課題や問題点はなかった。ただ、モデル事業を開始した昨年10月1日からは事前問い合わせによる平日の自転車持ち込みも行うようになり、新たな需要の発掘につながった。従来の休日のみの実施ではサイクリングなどのレジャー客が中心だったが、平日実施により買い物、通院などに自転車持ち込みを利用する乗客が増えた。また、モデル事業の一環として行ったアンケート調査にも大きなPR効果があった。

2]今後、自転車持ち込みをさらに積極的に推進する。3月15日のダイヤ改正以降、従来は3両編成の列車でのみ実施していた自転車持ち込みを2両編成の列車でも行うようにし、新規需要をさらに掘り起こしていく。持ち込み料金は、当面、無料とする予定。このほか養老線以外の路線に関しては、比較的混雑度の低い湯の山線などの支線で実施を検討するが、具体的スケジュールは未定。

3]階段のスロープ化をさらに進めることを除き、とくに改造は考えていない。車両に関しても基本的には改造なしで対応可能だが、低コストで自転車を固定する方法などがあれば研究したい。

 

 

 

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