(4) 観測装置設置場所
ブリッジBデッキのエアコンユニットルーム内に二酸化炭素測定装置、水温塩分測定装置を設置した。船底水温測定装置は、機関室第5甲板左舷側のシーチェスト外壁に温度センサーを断熱処理をして取り付けた。大気取入口とGPSアンテナはフライングデッキ(図1.5.1-2)に設置した。
(5) 観測間隔
航走中1時間毎に二酸化炭素濃度を測定した。水温、塩分については5分間隔で測定記録し、位置情報については測定時に同時に記録した。
(6) データの管理
観測データの標準基準には次のスケールを採用した。
二酸化炭素濃度:WMO mole fraction scale標準ガスに基づく校正
(WMO:世界気象機関)
塩分:IAPSO標準海水に基づく校正 (IAPSO:国際海洋物理科学協会)
水温:検定付き二重管標準水銀温度計(ITS-90スケール)で確認
1.5.2 平成11年度に実施した観測システムの開発・改良
(1) 観測システムの改良
観測中の電源電圧降下、海水流量の変動に対応するため、平成11年5月に電源モニター装置を設置し、観測中の電源電圧降下の情報を得るために必要な改良を行った。
また、平成12年1月23〜24日に海水流量調整器を設置し、観測中に海水流量の急激な変化が起きないように改良を行った。
(2) 観測システムの開発
観測システムの一括監視のため、観測システム監視装置としてパソコンを導入し、二酸化炭素測定装置及び、水温塩分測定装置の両データを集約できるようにした。
さらに、観測システムの安全対策の強化のため、前項(1)の海水流量調整器の出力を取り込み、海水流量をモニターできるようにした。
排水タンク周辺に漏水センサーを設置し、漏水時に海水供給停止バルブを閉じ、電源を遮断し、観測システムを安全に停止できるようにした。
無停電電源を設置し、1分(時間設定は可変)以上継続して停電した場合、観測システムを安全に停止できるようにした。
観測システムの開発・改良にともない、上記(1)、(2)の情報が一括して観測システム監視装置で得られる事の試験を、平成12年1月24日東京港から1月25日神戸港への航海期間を利用して実施し、装置が正常に稼動することを確認した。