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B 欧米の公共レンタカー等の社会実験

 

PRAXITELE

公共レンタカー/セルフサービスのシティカー

フランスの都市交通計画では、人の交通権の保証などをめざしそれまでの車依存社会からの修正を行っている。また、都市行政の目的の中心は「生活の質」の向上にあり、様々な都市行政の施策が展開している。21世紀の時代を迎えるにあたり、PRAXTELEで示されるように様々なチャレンジが行われている。

パリ郊外のニュータウンのサン・カンタン・アン・イブリンヌ(人口14万人)でのPRAXITELEの実験もその一つで注目される。

1997年10月からスタートした「電気自動車のセルフサービス」、あるいは、「個人的公共交通」といういい方ができる公共レンタカーの試行も重要な施行である。当初は街の5ヶ所に50台のプジョーのCLIOの電気自動車をプールして必要なとき自由に使えるようなシステムのテストである。

同様の試みは初めてではないがこれまで十分な成果を上げなかったが、今回こそGPS搭載やキー代わりと個人のデータ記録のICカードの活用、車体下部からの自動充電システム等の最先端技術を投入しており、将来の我々の生活に変化をもたらすかもしれないシステムの実験でその成果が期待されている。料金設定はタクシーよりやすく、バスより高いことが目標となっている。契約内容によって数種類の料金体系があるが、一例を紹介すると、月40フラン(約800円)の会費を払う場合ピーク時は最初の30分20フラン(400円)で一分超過するごとに2フラン(40円)、その他の時間はそれぞれ10フラン(200円)と1フラン(20円)と設定している。一年少し試行した98年末のデータを紹介すると、会員800人ほどいて、日に30-60の利用がある。平均一人月に9回ほど利用し、平均利用時間は30分である。57%は一人で利用し、片道だけ利用が49%、買い物目的が44%と利用形態が想像できる。車所有者が85%を占め、また、このシステムがなければどの交通手段を使ったと思うかという問いにはバス83%、会社の車20%、タクシー12%となっており、興味深い数字がでている。

当初は、車をプールしているPRAXlPARCというステーションには案内人がいたが、1998年6月からは無人の文字通りセルフサービスとなったり、PRAXIPARCも13ヶ所に増やしたが、この9月に実験は終了した。

 

 

 

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