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2) 都心回遊型公共レンタサイクル

都心部での自転車利用は受け入れ態勢は整っていない。商店街に隣接する駐車場建設など自動車優先の施設整備を進めているので、自転車を受け入れるための道路環境は脆弱で、むしろ問題視されている。エコ交通の視点からは、また中心市街地の活性化のためにも、とにかく自転車の環境を整備することはこれからの街の生き死ににもかかわる問題である。小さな規模だが、観光地などで貸し自転車が定着している状況から考えて商業環境での利用への期待は大きい。

中心市街地活性化のため街中レンタサイクルが注目され、全国の商店街で実験がされている。しかしながら、日常的なサービスとして成功例は報告がない状況である。

街中で、買い物等ちょっとした自転車の利用は、管理主体や駐輪スペースの問題から一般化するに至っていないが、街中レンタサイクルシステムへの期待は高い。

街の公共交通として誰でも自由に使えるサービスとして、成功している唯一の例はコペンハーゲンのシティバイクBycyklenである。オランダのDEPOは、実験もおこなわれたが、今後の展開が期待される。

・コペンハーゲンのシティバイク Bycyklen

背景

コペンハーゲンは人口190万人、自転車所有は228台/1000人。

76%はマイカーを持っていない。'97 1240台の自転車

1989年にはピーク時4.1万台の自転車交通量。車は10.2万台。

1987年の盗難自転車は9万台に上り、アムステルダムで60年代に行われたPROVOSが見直されていた。

事業の概要

1995年5月から900台の自転車を3月から12月まで120ヶ所に配置して始まった。利用料金は20クローネ。97年には2300台のBycyklenの規模となっている。(購入自転車は韓国製2000クローネ、年間メンテナンスは一台800クローネ)都心地区の駐車規制と連動している。

当初予算は50億クローネ(2/3を市と国で支出)。

96年には広告費(2500クローネ/台年)で半分まかない、98年に民営となった。(97年にはドイツハノーバーで2500台で同様の事業がスタート。)

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