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II. アンケート結果・意見交換会

 

1. アンケート総括

 

今回の講座参加者総数111名の内、108名(仙台35名、下関73名)の方がアンケートにお答え頂きました。

今回の参加者の男女比は男性が35名、女性が76名と女性が全体の68%を占めました。年齢層は10代が46名で一番多く、今回特に目立ったのは10代の女性が42名と男女を分けた年代別では一番多く、アンケートでも熱心な回答が多数あり関心の高さが伺えました。また参加者の中の最年少は北九州市より参加した5歳の女の子、最年長は下関市より参加した86歳の男性でした。「この実体験を、今後役立てていきたい」という感想が多数を占め参加者の熱意の高さが伺えました。

 

講座への参加目的

 

参加者の参加動機としては、「仕事に役立てたい」がトップ、続いては「以前からこのような講座に参加してみたかった」という意見でした。またフリーアンサーの回答としては「今回のこの講座で何らかのきっかけを掴めれば」という意見が多数ありました。ここから考えられる事としてまず、日頃障害をお持ちの方との接点や交流が殆どないということ、この様な講座自体がまだまだ少ないと思われることに加えて、高齢化社会・福祉事業などの広がりから「仕事」として関わりを持つ方々が多くなってきていると考えられます。21世紀の日本の社会に必要不可欠となる今回のような講座は、非常に重要であるという参加者の認識が強く感じられました。

 

この講座を通して心のバリアフリーを実感した

 

参加者が実体験を通して感じたことをコース別にフリーアンサー形式で答えて頂きました。基本的にほとんどの方が今回の講座を「役に立った」と感じており、その中でも代表的な感想として「実際に接してみると障害をお持ちの方は明るく、前向きな方たちでした」「今日は ! 何かお手伝いできますか?と声をかけることの大切さを学んだ」「実際に障害を持つ方々と話すことが出来て、とても勉強になりました。」等がありました。

また、今回のコースの難しかったところ、印象に残ったところとして車イスでは「段差や凹凸、周囲との距離感」や「階段や乗り物の利用時」などで、相手の立場に立ったサポートの重要性を感じられた方が目立ちました。

目の不自由な方のサポートでは、「歩行、エスカレーター、階段、電車など」移動中の誘導と、「周囲の状況を伝えること」など、基本的な声のかけ方やタイミングが難しいという意見が目立ちました。

高齢者疑似体験では「簡単な動きでも、体が重くてとても大変」「周りが良く見えなくて怖い」など、疑似体験用具を装着して、高齢者と同じ感覚になったときに初めて高齢者の大変さに気が付いたという意見が大半でした。

その他の意見として多かったのは「障害者の方々と直接話せる機会があって良かった。」というものでした。

参加者はサポート方法を学ぶと同時に、人と人との“ふれあい”という原点の再認識ができて、心のバリアフリーを実感できた様子が伺えました。

 

 

 

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