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1994年末時点の統計では、6歳以上の人口2億3,700万人のうち、約180万人が車いすを使用し、さらに約520万人が杖または歩行器等を6ヶ月以上の長期にわたり使用していた。同じく6歳以上で約880万人が視力に何らかの障害をもっており、約1,010万人が聴覚に障害をもっている。うち約160万人が全盲者で、約100万人が全聾者である。また、日常生活に必要な活動において、何らかの他人の介助を必要とする人が約440万人おり、うち約220万人が高齢者である(表2-1-2)。

 

表2-1-3 障害を持つ高齢者の数

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出所)前掲

 

高齢者と障害の関係を詳しいデータのある1994-95年ベース(高齢化率は11.5%、3,125万人)で見ると、およそ半数が何らかの障害を持つとされている(表2-1-3)。なお、1998年に集計したデータの速報値では高齢化率は12.7%(3,440万人)に達している。

こうしたデータからもアメリカにおける高齢化および障害を持つ人の数の増加は確実に進んでいることがわかる。1990年にADAを制定するために事前に行った調査では4,300万人が1つ以上の身体的障害または精神的障害を持つとされていた。高齢者・障害者の数は当時よりも着実に増えており、この増加と合わせて移動に制約を持つ人の数も増加していると考えられる。

 

(3) 公共交通の分担率

 

表2-1-4に示す通り、アメリカにおける通勤時の公共交通の分担率は低く、鉄道やバスの利用は全体のトリップの5%程度である。主たるトリップは自動車によって行われており、全体の9割以上に達する。一部ではカープールやバンプールなどの自動車の相乗りを促進している。大都市周辺では公共交通の分担率は若干増える。しかし、低密度な土地利用等の状況を考慮する必要はあるが、日本やヨーロッパの諸都市と比較するとかなり低い状況にある。

公共交通の分担率が低い一方で、一部の都市では公共交通の利用を促進するための土地利用等を含めた総合的な交通政策が進められている。しかし、低密度な土地利用が進んでいるアメリカでは、一部の大都市を除いて公共交通を成立させることは採算面から難しい。ISTEAやTEA21にも位置づけられているように、これまでの道路を中心にした予算から公共交通への配分を考慮した予算編成が定着しつつある。このため、公共交通の運営資金は年々増加している(表2-1-5)。政府レベルで位置づけが明確になっていることから連邦予算の増加が顕著である。

交通モードごとに予算の配分を見ると、バスは配分額が最も多く、特に車両に重点が置かれている。鉄道では施設整備に重点が置かれた予算配分になっている(表2-1-6)。

 

 

 

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