2.5.3 腰丈式ホームドアの締結方法(工事性の改善)
既設駅にホームドアを設置する場合には、準備工事、ホームドア締結の工事も夜間作業となることから、短期間でのホームヘの搬入、短時間でのホームドアの締結が必要になる。
ホームヘの搬入に関しては、搬入方法(例えば車両の使用、揚重装置の使用、人手で運搬等)に依存するが、いずれの場合にもホームドア自体の重量の低減が大きな要素となる。ホームドアの重量に関する改善は、2.3.4項に示した通りである。
ホームドアの締結に関しては2つの要素がある。その1つは、短時間でホームドア締結の為の基礎工事を行う点と、他の1つは短時間でホームドアを締結する作業を行う点である。
いずれも短時間で行う必要のある要素ではあるが、ホームドアの締結の方がより短い時間(工数)を要求されることが多いと考えられ、この点をポイントとしてホームドア締結方法に関する工事性の改善について検討した。
以下に、昨年度要素試作時の水平荷重2450N/m(250kgf/m)の試作機での締結方法(以下「単純アンカーボルト方式」と称す)と、今年度試作機で改善を図った締結方法(以下「独立べース方式」と称す)、および軽量化ホームドアに対応した新しい締結方法(以下「カラー台座方式」と称す)について示す。
(1) 単純アンカーボルト方式
(a) 概要
昨年度要素試作時のホームドアの締結方法(単純アンカーボルト方式)を図2.5.3-1〜図2.5.3-3に示す。水平荷重は2450N/m(250kgf/m)である。
本方式は図に示すように、プラットホームにアンカーボルトを打設し、そのアンカーボルト上にホームドア本体を乗せる形で、アンカーボルトとホームドア本体をボルトで接続することにより、ホームドアをプラットホームに締結する方法である。
作業手順は次の通りである。
1]位置関係の芯出し
2]プラットホーム上の切り欠き
3]アンカーボルトの打設
4]ライナー挿入による高さと水平の調整
5]ホームドア本体を吊った状態で下げて行き、取付用べース部のアンカーボルト通し穴にアンカーボルトを通す
6]取付用ナットにて締結