2. 軽量化ホームドアの開発
2.1 軽量化ホームドアの開発目的
腰丈式ホームドアの普及促進のためには、低コストで設置容易な軽量化ホームドアが求められる。
軽量化ホームドアの方式には各種方式が考えられるが、本研究では平成10年度に開発した腰丈式、戸袋付きで、片持ち式ドアのホームドアを前提とし、低コスト化を図ることを目的に軽量化ホームドアを開発することとした。
腰丈式ホームドアの低コスト化を図るには、ホームドア本体の製作コスト低減と、ホームドアの設置工事費の低減が必要であり、製作、工事の両面から検討が必要である。
これらを低減するための条件として、ドアの水平方向に作用する荷重条件があるが、これを規定したものはない。
鉄道の手摺などの荷重条件には高欄での規格が適用されているケースがあり、この規格では所定の高さで水平方向に作用する力が幅1m当たり2450Nすなわち2450N/m(250kgf/m)となっており、高欄の規格をホームドアの荷重条件にそのまま適用すると頑丈な構造にせざるを得なくなる。
水平方向に作用する荷重2450N/m(250kgf/m)の値を緩和できれば、ホームドア本体の製作費低減、軽量化が図れる。これにより、ホームドア搬入の容易化とホームヘの取付強度の緩和が図れ、工事費の低減につながる。さらに、既設ホームとしての盛土ホームヘの設置についても、条件が緩和されることから工事の容易化が期待できる。
このため、ホームドアの水平方向に作用する荷重条件を新たに設定し、試作機を開発し、評価することとした。
以上により、本研究において低コストで設置容易な軽量化ホームドアの開発を目的に、適正荷重の調査、それに基づくホームドア本体の試作を行い、評価を行った。
さらに、施工方法について調査し、ホームドアの設置方法および締結方法についての検討を行った。