育児相談集計表の分析
1、 昭和60年の10月より「都市児童健全育成事業」の一環として電話による育児相談室を開設、初年度、半年分なのと広報が徹底していなかったため、件数が少ない。
2、 平成元年前後は現在より世代同居家族が多かったので祖父母からの育児相談もあったが、近年は殆どが核家族化してきているので祖父母からの相談が一頃より少なくなった。
3、 平成2年10月より「緊急一時預かり事業」開始、「一時預かり」に関する問い合わせと相談が増加してきた。
4、 平成5年4月「保育所地域子育てモデル事業」指定保育園となる。公立の一保育園と連携が始まる。広報活動が徹底してきたので、相談件数も増え始めた。また、育児雑誌が創刊され人気を博し、育児情報が多過ぎるための育児不安によるものではと推測される。平成6年度は300件を越える相談があり、特に社会性の発達に関することと生活環境に関することが急増し、逆に基本的生活習慣のなかの排泄に関することが前年の半分になっている。
5、 平成7年4月より「保育所地域子育てモデル事業」が「地域子育て支援センター」となり都市児童健全育成事業の「電話による育児相談」が支援センターの事業のなかに含まれる。件数が落ちついてきた。
6、 平成9年3月花巻市子育てガイド・ブックが発刊される。ガイド・ブックについての問いあわせも増えてくる。この頃から花巻の公立の保育園のほとんどが、地域の子育て支援に対する認識が深まり、それぞれできる範囲での支援の足並みがそろう。民間保育園4か所も加わり、関連機関も含めて定期的な連絡会や育児相談の事例研修等を行い資質の向上を図った。
7、 平成10年度育児相談の件数が前年度より少なくなってきた。子育て家庭が地域の保育園に出向くようになり、育児の悩みもそれぞれの保育園で対応するようになったためと思われる。
*、 平成11年になって「どこへ行ったら同じ位の年齢の子と遊ばせられるか?」や「土日や時々夜も預かってくれる保育園は?」「一時預かりの保育園は?」が多くなってきた。前者は住まいを聞き、近くの支援の保育園を紹介しているが後者は「そういうお仕事ですか?」と聞くと「いいえ、これから捜します」。ということは、大分育児のストレスが溜ってきているなと思いつつ、「子どものためには夕方早めに終われるようなお仕事の方が良いのでは」というと「子どもと長く一緒にいると疲れるから」という。これからは、今までのパターンにない相談が増えそうだ。こういった若いお母さんたちに育児の素晴らしさや楽しさをどんな形で伝えていくか、育児相談室のこれからの課題でもある。