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第2分科会

外国人保護者の姿と対応方法

山岡 テイ(情報教育研究所代表)

米沢 瑛子(新宿区立大久保第二保育園園長)

 

近年、両親、もしくは、親のいずれかが外国人である子どもが保育所に入所することが増えています。このような状況の中で、保育者と保護者がお互いの信頼のもとで連携を深めていくには、いくつかのアプローチが考えられます。

まず、最初に、彼らが住む地域や日本の生活文化に慣れ親しむことができるような環境づくりや行政サービスが必要とされており、さらには、彼らの民族的な生活習慣や自国での育児環境などを積極的に知り理解する保育者側の姿勢も大事な視点といえましょう。

そこで、本分科会では、外国人の親子を援助する海外の保育関連行政やNPOのサービス、保育所や子育ての実態などをビデオで紹介しながら、保護者をサポートするための具体的なカウンセリング技法などをグループで体験したいと思います。

 

1. オーストラリアの「チャイルドケア・サポートチーム」

オーストラリアは6つの州と北部準州、首都キャンベラがある首都特別地域(ACT)の独立したエリアからなる連邦国家です。ACTでは「チャイルドケア・サポートチーム」が5ヵ所に設置されており、英語を母国語としない子ども達(NESB)や障害をもつ子ども達が保育所にスムーズに慣れるために、要請に応じて専門サポート要員を派遣しています。

彼らの具体的な活動としては、NESBの親子のための保育所での補助や親への面接相談、また、先住民アボリジニ文化を自然な形で理解させる活動も合わせて行い、多文化教育と異文化受容によるすべての子どものための自己理解をも目指しています。

 

2. 台湾の子育て事情や中国の保育所と生後6ヵ月でのおむつはずし

中国系外国人のニューカマーは今後も増加が予測されます。同じ言語を背景にもつ中国系であっても、ベトナム、タイ、香港、台湾、中国本土の各地から来日した人々はそれぞれ異なった歴史や文化の中で生育してきています。

 

 

 

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