■事業の内容
本事業は、海洋科学技術の啓蒙と海洋科学技術センター関連の研究や業務に携わる人材育成を目的として、また、青少年の「理科離れ」や「科学技術離れ」の社会的問題を憂慮し、既存の潜水技術の研修に加え、海洋科学技術全般にわたる研修を実施した。 (1) 高校教諭のための海洋研修 a.開催準備 本年度は、九州地区の高校生、高専生と東北地区の高校教諭と高校生、高専生を対象に実施したため2回に分けて(1回目:佐賀及び福岡、2回目:青森、秋田、岩手及び山形県)所轄の教育庁を訪問し、本企画の概要説明を行い実施に関しての承諾を得た。その後、東北地区の全高校(330校)の学校長及び理科主任宛に募集要項を送付した。 b.開 催 (a) 日 時 3月24日〜26日の3日間 (b) 参加者 14名 (c) 結果集約 アンケートにより結果を集約した。 (2) 高校生のための海洋研修 a.開催準備 上記(1)のとおり、東北地区の所轄の教育庁を訪問し、実施の承諾を得た。その後、九州地区の全高校(412校)と東北地区全高校(330校)の学校長及び理科主任宛に募集要項を送付した。 b.開 催 1回目 (a) 日 時 7月22日〜24日の3日間 (b) 参加者 26名 2回目 (a) 日 時 8月5日〜7日の3日間 (b) 参加者 24名
■事業の成果
(1) 高校教諭のためのマリンサイエンス・スクール 本年度の教諭を対象とした「マリンサイエンス・スクール」は、青森、秋田、岩手及び山形各県の高等学校及び高等専門学校(高専)の教諭を対象に、春休みに1回実施した。 実施に先立ち、各県の教育庁を訪問し、開催の趣旨説明を行い、承諾を得たのち、各学校の学校長及び理科主任宛に募集要項を送付し、約1カ月間にわたり募集を行った。参加者には「本スクールへの応募動機」についての作文の提出を求め、それを参考に参加者を決定した。 今年度の募集定員は24名であったが、締め切り日までの応募者は15名であったため、全員の受け入れを決定したが、1名が欠席し14名で実施した。 今回のカリキュラムの内容は、昨年とほぼ同様ではあったが、実技・実習を多く取り入れて実施した。なお、参加者からの要望に基づき「海洋深層水の利用技術」についての解説や深海調査研究船「かいれい」並びに10,000m級無人探査機「かいこう」の見学も実施した。今回もこれまでと同様に終了時にアンケート調査を実施したところ、本スクールが極めて有意義なものであり、今後も引き続き実施してほしいとの要望と、さらに高度な専門技術の解説を期待するとの回答が多く見受けられた。 (2) 高校生のためのマリンサイエンス・スクール 生徒を対象とした本年度の「マリンサイエンス・スクール」は、福岡、佐賀、長崎及び熊本県と青森、岩手、秋田及び山形県の高校生、高専生を対象に各1回実施した。参加者の募集を約1ヶ月半にわたり行ったところ、締め切り日までに、九州地区については119名、東北地区については18名の募集があり1回目26名、2回目24名を受け入れて実施した。カリキュラムは昨年のものとほぼ同じであったが、その内容については、高校生がより理解しやすいようにした。 「マリンサイエンス・スクール」に参加したことが、将来の志望先を決めるのに役立った等の礼状も多く寄せられるなど、海洋科学技術の理解の増進を図れた。なお、生徒についてもアンケート調査を実施したところ、「高圧環境体験」等の実習は大変有意義であったとの回答が多かった。
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