日本財団 図書館


■事業の内容

本事業は、関西の多様な地域への外国人観光客の来訪を促進する一環として、関西の主要なコンベンションに参加する外国人を通して関西の多様な地域の観光魅力を広く海外にPRするために、国際観光テーマルートを中心に各地の見所、交通アクセス等を紹介した観光ガイドを作成、無料配付すると同時に、アフター/オフコンベンションの観光意向・実態調査を実施し、国際コンベンション誘致促進と観光振興との連携方策を検討するため実施した。
(1) 関西における国際コンベンションの現状把握
既存資料の整理並びに大阪、京都、神戸、奈良、徳島、福井及び伊勢志摩の各コンベンションビューローに対するヒアリング調査に基づき、日本並びに関西における国際コンベンションの現状を取りまとめた。
具体的には、開催件数の推移、参加外国人数の推移、開催時期の傾向、開催テーマ、都市別開催件数、主要コンベンション施設の整備状況、開催にあたっての助成・貸付金制度の各項目ごとに整理を行った。
  ・既存資料の収集・ヒアリング調査
   (調査対象) 大阪、京都、神戸、奈良、徳島、福井、伊勢志摩のコンベンションビューロー
以上について取りまとめの上、委員会 (平成10年12月11日開催)に報告、検討した。
(2) 関西における国際観光テーマルートの海外宣伝と一体となったアンケート調査
 平成10年10月から11月にて関西圏内で開催された主要国際コンベンション会場において、テーマルートに基づく「関西観光テーマルートガイド」ディレクトリーと一体となった調査票に基づくアンケート調査を実施した。
 コンベンション主催者の同意が得られた大阪、京都、神戸、奈良、徳島、福井で開催された計8コンベンションの参加者1,275名に対して調査票を配付し、208件の有効回答を得た。調査票は、参加したコンベンションに対する評価、アフター/オフコンベンションの現状、観光ガイドブックに対する評価等を尋ねる設問で構成し、単純集計と併せて、年齢やコンベンションのテーマ、国際コンベンション参加回数等の回答者の属性によるクロス集計を必要に応じて実施した。
 (開催地)  (調査対象)  (回収数)   (回収率)
  大 阪    600名    54名     9.0%
  京 都     60名    10名    16.7%
  神 戸    300名    37名    12.3%
  奈 良    220名    82名    37.3%
  徳 島     75名    19名    25.3%
  福 井     20名     8名    40.0%
   計   1,275名   210名    16.5%
 以上の国際観光コンベンション参加外国人対象のアンケート調査結果について、委員会(平成10年12月11日開催)に報告、検討した。
(3) 在日領事館等へのヒアリング等による問題点・課題の把握
 国際コンベンション主催者等へのヒアリング調査を実施し、(2)のアンケート調査結果も踏まえて、関西への国際コンベンション誘致並びにアフター/オフコンベンション振興にあたっての問題点・課題を取りまとめた。
 ・ヒアリング調査
(調査対象) 東京地区コンベンション主催者 3社
 以上のヒアリング調査によるケーススタディにより、コンベンション振興のための課題について把握し、委員会(平成10年12月11日開催)に報告、検討した。
(4) コンベンションと観光の連携によるコンベンション誘致策及び外来来訪促進策の検討
 上記(1)〜(3)の調査・検討結果を踏まえ、委員会 (平成11年2月18日開催)で検討のうえ、国際コンベンション誘致促進と観光振興の連携方策について具体的に提言した。
(5) 調査のまとめ、報告書の作成
 調査の取りまとめについては、専門家、コンベンションビューロー、行政担当者等からなる委員会を3回開催し、取りまとめの方法について検討を重ねた。
 以上の検討を行い、報告書を作成した。
 [1] 部 数  A4版 200部
 [2] 配付先  関係官庁70部、地方自治体24部、関係団体32部、研究機関9部、調査研究委員会委員27部、その他38部
■事業の成果

本調査は、関西の多様な地域への外国人観光客の来訪を促進する一環として、関西の主要なコンベンションに参加する外国人を通して関西の多様な地域の観光魅力を広く海外にPRするために、国際観光テーマルートを中心に各地の見所、アクセス等を紹介した観光ガイドを作成・無料配付すると同時に、アフター/オフコンベンションと観光意向・実態調査を実施し、3つの柱からなる国際コンベンション誘致促進と観光振興との連携方策を提言した。

 コンベンション−特に、国際会議を開催することによって、多くの外国人が訪日するばかりでなく、その機会に外国人が周辺を観光旅行することが期待できる。また、その地域に与える経済的波及効果も大きいことから、コンベンションの推進は国際観光振興の重要なステップとなっており、それだけに、コンベンション誘致をめぐっては、各国間のみならず日本国内の都市間競争も激しさを増している。

 東京圏と比較すると、そのコンベンション開催ポテンシャルが十分に発揮できていないといわれる関西圏において、本調査の提言の具体化により、国際コンベンションの誘致促進と観光振興との連携の一層の進展が期待されるところである。

 また、専門家、コンベンションビューロー、行政敢闘者が一堂に会して議論するというこれまでになかった機会を提供したことも本事業の大きな成果の一つであるが、今後も引き続きこのような意見・情報交換、相互の協力・連携を図る場が設けられ、今回の提案が一つでも実行に移されるよう期待するものである。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION