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■事業の内容

首都圏における国際線の基幹空港である成田空港と国内線の基幹空港である羽田空港との間の国際線・国内線の乗り継ぎの問題については、成田空港開港当初からの懸案となっており、また、今後、成田空港の平行滑走路が供用され、羽田空港の沖合展開事業が完了すると両空港の旅客数がさらに増大し、それに伴って両空港間を連絡する交通の重要性がますます高まる。しかしながら、現状においては、鉄道系では乗換えを強いられ、また、道路系では慢性的な道路渋滞の影響を受けており、必ずしも利便性がよいとはいえない状況にある。
 今後の成田−羽田両空港間や都心とのアクセスについてその利便性を向上させていくことが緊急の課題となっていることから、平成9年度に引き続き、空港利用者の利便性の向上を図ることを目的として、空港アクセスの改善方策及び乗り継ぎ旅客のチェックイン機能の向上についての検討を行うため、本事業を実施した。
(1) 実施方法
 委員会を設置し、それぞれの調査方法の決定、調査内容の検討を行い、ヒアリング調査を実施し、作業の一部を専門機関に委託する。
(2) 調査項目
 [1] 航空、海上輸送を含めたアクセス方策の総合検討
 [2] 羽田における国際線チェックイン機能導入の検討
 [3] 成田−羽田間のアクセスの改善方策の総合的取りまとめ
(3) 実態調査
 [1] 国内調査
  a.ヒアリング調査
   5月21日 東日本旅客鉄道株式会社
         ・NEXの利用実績・乗車率等の推移他について 1名
   5月22日 京成電鉄株式会社
         ・スカイライナーの利用実績の推移他について  1名
   6月4日  東京空港交通株式会社
         ・リムジンバスの利用実績の推移他について   1名
   7月2日  新東京国際空港公団
         ・空港線内の三線軌化の整備の可能性について  1名
(4) 報告書作成
 [1] 部 数  250部
 [2] 配布先  関係各庁、関係諸団体、大学、内部、その他
■事業の成果

わが国の国際線基幹空港である成田空港の平行滑走路が今後完成し、国内線基幹空港である羽田空港の沖合い展開事業が完成すると両空港における旅客数は増大し、それに伴って両空港へのアクセス交通や両空港間のアクセス交通の重要性が更に高まることは確実である。特に東京都心部から成田空港へのアクセス利便性の向上は喫緊の課題となってきている。本調査は、成田空港利用者の利便性向上を図ることを目的として、アクセス交通の改善方策を検討することを目的としたものである。なお、本調査は平成9年度から2ヶ年に渡り検討を進めたものである。

 本調査で検討対象としたアクセス交通機関は、公共交通機関として位置付けられる鉄道、リムジンバス、海上交通、ヘリコプターの4種である。このうち大量輸送特性を持ちアクセス交通の基幹となる鉄道については、複数の改善案について需要予測を実施し、その結果をもとに費用対効果分析、財務分析を行い、これらを総合してフィージビリティの確認を行った上で整備の方向性を示唆した。さらに整備案の利用者利便をより向上させるために国際線のチェックイン機能の導入についての検討を加えている。なお、鉄道以外の交通機関については、それぞれの機能を生かしたサービス改善の方向性についての検討を行った。

 本調査の結果は、運輸省が成田空港の平行滑走路整備後のアクセス交通整備の検討を進めていく上での基礎資料として活用が期待できるものである。





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