日本財団 図書館


■事業の内容

(1) 検討委員会設置

 6名の学識経験者・行政官からなる検討委員会を設置し、過去2年間にわたって調査・研究を実施したその結果を踏まえ、開発途上国の行政水準の向上を図るためのこれら公務に携わる公務員の資質、能力向上を目的とした、研修教材の開発を行うため、委員会を6回実施した。

 

(2) 研修教材(「信頼される公務員になるために」)作成

 研修教材(日本語版)を400部及び研修教材(英語版)を500部作成し、当協議会会員、海外調査対象機関その他関係機関に配布した。


■事業の成果

本事業は、開発途上国及び市場経済化を図る国々の公務員を対象として、部下の育成・仕事の管理・倫理高揚等についての研修課程を開発することにより、国際協力に資することを目的として3か年計画で実施してきたものである。

 研修課程の開発に当たり、開発途上国等における公務員の果たすべき役割、行政サービスのあり方並びに待遇、汚職防止、部下の育成、仕事の管理などの実態及び問題点等を把握する必要があることから、平成8年度においては、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアの3ヵ国、平成9年度においては、中国、ヴィエトナム、シンガポールの3ヵ国を対象に調査研究を行った。

 上記の調査結果に基づき、研修教材の開発に当たっては、以下の点を考慮することとした。

 

(1) 内容は、詳細な理論・説明よりも、問いかけ、ケーススタディなどを交え、研修参加者自らが考えられるようなものにすること。

 

(2) 英文教材については、各国の事情に応じて使用できるように、分割可能なシート形式とすること。

 

(3) 対象職員は、初任監督者レベルにある職員とすること。

 (調査の結果、第一線で勤務する公務員一般を対象とする研修が少なかったこと、かつ、第一線で職務に従事する職員を指導しながら、職場風土を形成する立場にもある監督的地位の職員を対象とすることが効率的であると判断したことによる。)

 

 本年度においては、これらの点を踏まえ、開発途上国等の公務員各人が高い士気・倫理観をもって効率的な公務遂行について自ら考え、実行できるようにする一助となるような研修教材を開発した。

 これにより、開発途上国等の公務員の資質が向上し、ひいてはそれら国々の行政水準の向上につながると思われる





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION