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■事業の内容

舶用機関の高度化に伴い、高度な舶用機関整備技術が求められるとともに、舶用機関整備事業者における品質管理体制の整備が重要な課題になっている。一方、舶用機関整備業界は、経営規模の小さな企業が多数を占め、メーカー系列でない企業については、系統的な整備技術を有しておらず、整備技術に大きなばらつきがある。
 本事業は、小規模事業者(従業員5人以下の事業者)の技術的なレベルを引き上げ、業界の整備技術を舶用機関の高度化に対応したものにキャッチアップさせ、それを舶用機関整備技術の進展に伴い維持させる必要があり、整備技術の検討、技術指導体制の整備、会員に対する整備技術の指導等を実施することにより、整備技術の普及・促進を図るとともに、舶用機関整備業界の基盤強化に寄与することを目的とし、実施した。
(1) 実施内容
エンジンメーカー各社が今年度発表した新機種の概要・特徴を通して技術動向を紹介するとともに、整備技術に関するパンフレットを作成し、これを基に会員に技術指導を行った。
 [1] パンフレットの作成
   整備技術に関するパンフレットの作成を行った。
  a.規 格  A4判 40頁
  b.部 数  1,200部
  c.配布先  会員
  d.内 容
   (a) 技術紹介
   イ.高速エンジン
   ロ.中低速エンジン
   ハ.プロペラ、補機、その他
   (b)
   イ.整備後のフラッシングを怠るべからず
   ロ.平成10年度1級実技試験
 [2] 会員に対する技術指導
   地方舶用工業会に依頼して会員会社を対象として11支部単位で技術指導を実施した。
  a.依頼先
    北海道、東北、新潟、関東、中部、近畿、神戸、中国、四国、九州、沖縄の各舶用工業会(近畿は、近畿舶用機関整備士会)
  b.指導内容
   ・新型エンジン、プロペラ、補機類についてパンフレットを基に説明するとともに、最新技術について指導を行った。
   ・機関整備によるトラブル予防の為の点検整備時の注意事項について指導した。
   ・整備時の部品の計測・検査の方法について1級の実技試験を基に、マイクロメータ、シリンダゲージ等の取扱について指導した。
■事業の成果

舶用機関の高度化の伸展に伴い舶用機関整備技術は高度化を迫られており、また、ISO9000シリーズの導入等により自社における品質管理体制の整備が重要な課題になってきている。一方、舶用機関の整備業界の現状は、経営規模の小さな企業が多数を占め、系統的な整備技術を有しておらず整備手法に大きなばらつきがある。

 このため、会員企業の大半を占める小規模事業者の技術的なレベルを引き上げ、業界の整備技術を舶用機関の高度化に対応したものにし、それを整備技術の伸展に伴い維持させる必要がある。

 本事業では、このような観点から、整備技術の検討、技術指導体制の整備等を実施することにより整備技術の普及・促進及び基盤強化に寄与することができたことは、大いに意義があったと確信する。





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