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第3章 移動問題における現状

 

3-1 移動問題における現状

 

(1)利用移動手段

Q5 あなたが日常的に利用している移動手段全てを選択。

1]徒歩 2]自転車 3]手動車椅子 4]電動車椅子 5]電車 6]地下鉄 7]路面電車 8]路線バス 9]自家用車 10]家族の運転する自家用車 11]障害者が運転する装置のついた自家用車 12]介助者の運転する自家用車 13]タクシー 14]リフトタクシー 15]会員制移動サービス 16]福祉バス等の移動サービス 17]施設の送迎車 18]その他

 

【個人】

車椅子については圧倒的多数が手動車椅子を利用している。障害者が運転する装置の付いた自家用車と自家用車の合計で74%を占める。次いで多いのが家族の運転する自家用車で28%。公共交通機関の中では、電車が最も利用されているが、トータルで30%に満たない。やはり、自家用車をも含め、ドア・トゥ・ドアの乗り物がトータルで131%を占めていることを見ても、公共交通機関の使いにくさが証明されている。意外なのは予想以上に普通のタクシーが利用されていることである。

 

【作業所】

このグループでも手動車椅子使用者の方が多いが、その差は個人グループより遙かに小さくなっている。公共交通機関は電車と地下鉄がかなりの使用頻度を見せている。ここで特徴的なのは路線バスの利用率がかなりの高率を示していることである。これは、自らの移動手段を持ち得ない人達の、したたかな生活力を感じさせる。自家用車及び家族が運転する自家用車の比率が圧倒的に高いが、障害者が運転する装置の付いた自家用車は極端に低い。これは、作業所に通う人の多くが免許取得の困難な人達であることを証明している。施設の送迎車の利用率が高いのは当然のこととして、ここでも普通のタクシーの利用率が高いのは不特定の人に介助を頼むより、運転手に頼む方が利用しやすいことがその理由ではないかと推測される。

 

【療護施設】

ここではやはり個人グループより作業所グループに近い結果が出ている。施設の送迎車が、高率になっているのは、任意団体の作業所と法人格を持った施設との予算規模の違い、職員体勢の違いと考えられる。

 

 

 

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