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3-2 ニュージーランドにおける行政情報システムとリエンジニアリングの現状

 

(1) 税務処理システムの構築とアウトソーシング

ニュージーランド内国歳入庁では、税務処理のシステムのリエンジニアリングを実施している。1990年以降、業務プロセスのリエンジニアリング及び情報システムの大幅な改革を行っており、全国26ヶ所にあった申告納税の処理センターを3ヶ所に集約するとともに、FIRST(Future Inland Revenue Systems Technology)と呼ばれる情報システムを開発している。

本システムの導入により、

・同庁の管理コストを年間570万ドル、職員を1,400人削減した。

・税金の延滞、未納状況を容易に把握し、通知発行等の処理が可能となったことになり、税金の滞納、未納金の41%に当たる3億3500万ドルを削減できた。

・徴税予測の精度が上がった。

・徴税金を国庫に早期に納めることが可能となり。年間利子で2900万ドルの増収となった。

等の効果が得られている。

FIRSTは、6億件の会計処理及び1億1千万件の申告データを蓄積するシングル統合型データベースを持ち、各部署及び全国の支所の2600台の端末が接続され、220万件/日のオンライントランザクションが行われている大規模なシステムである。本システムの運用業務ついては特性分析が行われ、核となる業務(コアサービス)とその他の業務に分類し、後者についてはアウトソーシングが進められている。アウトソーシングの対象業務としては以下のものが挙げられており、既に民間企業に委託されている。

・メインフレームのオペレーション

・ネットワークのオペレーション

・パソコン、UNIXのサポート・ヘルプデスク

・パッケージソフトのカスタマイズ

なお、業務委託先の選定については公開入札ではなく、情報請求(RFI:Request for Information)を行い、それに対する業者からの提案を審査し、総合的な評価が一番高い業者を選定して、提案請求(RFP:Request for Proposal)を渡す方式で行われている。内国歳入庁では、今後もFIRSTに新しい技術を取り入れ、改善していく意向である。

なお、ニュージーランドでは、税務処理のために納税者番号が使用されている。これは、国民が初めて就職する際や新規に事業を設立する際に内国歳入庁に申請し、取得するものである。納税に関する処理には全て本番号が利用されるが、1999年からは銀行口座を開設する際に、本番号の登録を義務付ける法律が施行されることになっている。

 

 

 

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