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(4) 住民基本台帳ネットワークシステムとリエンジニアリング

住民基本台帳ネットワークの整備により実現すると想定される効果としては、具体的に以下のものが挙げられる。

 

1] 行政手続きの一元化

現在、市町村の区域を越える住民の転入・転出手続は、転出地市町村への転出届の提出、転出地市町村からの転出証明書の発行、転入地市町村への転出証明書を添付した転入届の提出という手順となっているが、本ネットワークシステムの活用により、住民が役所の窓口に出向くのは転入届提出(転出証明書の省略)の1回で済むようになる。

 

2] 行政窓口の一元化

どこの市町村でも、住民票の写しの交付を受けることができるようになり、市町村の区域を越えて通勤している住民が、地元の役場に戻ることなく、職場等の近くの市町村窓口や自動交付機で住民票の写しの交付を受けることが可能となる。

 

これらの効果は、地方自治体が単独で整備してきた住民基本台帳システムを全国的なネットワークにより統合し、住民サービスを飛躍的に向上させる業務改革であり、これは企業において革新的な効果を上げた事例同様に、リエンジニアリングと呼べるものである。また、本ネットワークシステムに基づいて住民に交付するICカード(住民基本台帳カード)を住民の電子的な本人確認の手段として活用することにより、選挙や旅券交付時の際の本人確認の他、災害時に地方自治体の庁舎や公民館等に設置した行政端末にカードを通すことにより安否の確認や救助支援対応に資する等(既存の行政サービスの改革に留まらず、今までにない行政サービスも可能となる。

 

(5) 今後の課題

住民基本台帳ネットワークは、地方公共団体が蓄積している住民に関する情報を集約したものであり、自治体が情報共有することにより行政サービスのリエンジニアリング効果は期待できる。

しかし、住民の全国レベルでの一元的な本人確認が可能となるため、ワンストップサービスといった住民のメリットはあるものの、行政による住民の管理が厳しくなる等の印象などから反対意見もある。今後も、利便性のアピールや適用範囲の制限の一層の明確化を図り、本施策を支援する世論の形成が必要と考えられる。

 

 

 

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