福山市・箕沖は全国有数のパワーボートレースの特設コースとして完全に定着した。第11回大会には38艇がエントリー、F550、Bコース、Aコースによってレースが行われる。エントリー総数は前年、過去の大会からみると激減したが、チーム、選手層はトップドライバーが健在。
ここ数年の経済不況はマリンスポーツの世界にも厳しく大きな打撃を与えている。しかし、主催団体の熱意は一層激しさを増していく。周囲の支援を得ながら「ローズカップパワーボートレース」は、レースファンに今年も新たな感動を与えてくれると思う。
全レースともコースは前回同様。F550クラスはサーキットレースとしての2ヒート制。Bコースは2ヒートの耐久レース、Aコースも60分の耐久レースとして行われる。
ローズカップを観戦する熱心なギャラリーはレースを熟知し、応援するドライバーもいることだろう。エントリーリストを参考にレースを楽しんでいただきたい。
F550クラスはボート、エンジンともにワンメイクにちかい仕様。 ドライバーのテクエックが成績に大きく左右される、500ccながら100km/hのトップスピードを発する。B・Aコースはオフショアレースのベテラン勢の熱い闘いとなる。長帳場を激走する体力と冷静で緻密な判断力、更に驚異的なスピードを求めるレーサーとしての孤独な宿命。普段は仲良じグループでもレースでは全てがライバル。エキゾーストノートの響きは見る者を感動させてくれるが、コクピットに収まったドライバーは壮絶なバトルを求め、箕沖の特設コースを疾走していく。レースが好きな故に。