解剖学実習を終えて
宮野 真輔
今、解剖学実習を終え、この三ヵ月間のことをゆっくり思い返しています。大変、密度の濃い、充実した期間だったと思います。これも全て白菊会の方々の崇高な御意志のもとに成り立っていることに、大変感謝しております。
私は、"学べる"ということに改めて有り難さを感じています。我々の世代は、幼い頃から何不自由なく、過ごしてきた者が殆どであります。そのため、学べることなど当然のこと、さらには学べる状況を不幸とすることもある位です。
その様な中、自分の医師になりたいという大きな夢を実現させるべく、学べる状況が存在するのは、幸福なことでしょう。
この三ヵ月間、さまざまな葛藤が毎日ありました。自分は立派な医師になれるのだろうか?なぜ自分はこんなにダメな人間なのか?いろいろ悩みました。しかし、学べる状況を思う存分生かして学んだ現在、充実感とともに医師への道の一歩を踏み出した自分への自信というものが得られました。
この自信と学ばせていただいた知識を最大限に活用させていただき、将来、立派な医師になることを誓います。
私の夢、医学の前進のために献体して下さった故人に、心から感謝するとともに、安らかにお眠り下さい。