日本財団 図書館


6 内容等

星野進保氏は、アジア経済危機の現状を概観した上で、EUからまなぶこと、として以下を示した。

1, 通貨、金融危機に対して、APEC、ASEANなどの組織が無力であった。ヨーロッパ諸国が努力してきたような、為替リスクを少なくするような仕組み、努力が必要。

2, EUROは、為替リスクを回避し、安定した投資、取引に有利な条件となる。

日本は、アジアのためにも、内需主導、円高基調の経済政策をすすめ、より東京のマーケットをオープンする努力が必要である、とした。その上で、東アジア諸国は、回廊=コリドーともいうべき、各国の多様性を認めた地域連合に進んでいくべきである。

Guy QUADEN氏は、EU通貨統合について、統一市場の当然の帰結だ、とした上で、通貨政策や経済政策が中央銀行に集中されていくだろうとの予想を示した。さらに、ユーロが、ドルと並んで高い国際的な地位を占め、また役割も求められることになる、とした。

その後、シンポジウムの中で、各国の政策的な主権と、中央銀行との関係など活発な議論が交わされた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION