6 内容等
将来の情報通信インフラストラクチャの基幹技術としてATM(Asynchoronous Transfer Mode、非同期転送技術)が研究開発され、すでにマルチメディア通信のサービスプラットフォームとして導入されつつある。一方、コンピュータ通信を対象として開発されたインターネットは、実時間性を持たないベストエフォート型のサービスを提供しており、やはりマルチメディア通信へと拡張を試みられている。さらに実時間通信に近い性能向上も図られつつある。このような機能拡張によって、電気通信はすべてインターネットに吸収されるという議論もある。
本講演では、電気通信サービスとネットワークの研究開発の現状と動向、ATMのねらいと電気通信インフラでの位置付けを明らかにした。また、インターネットに関しても研究開発の現状と動向を紹介した。QoSとセキュリティの観点から電気通信とインターネットの考え方の違いを解説した。さらに、将来の情報通信サービスとネットワークに対するカスタマの期待と要求条件を明らかにして、将来の情報通信サービスとネットワークのアーキテクチャを提案し、そこでのATMとインターネットに期待される役割が異なっていることを示した。さらに、今後のグローバルな視点から見た課題についても触れた。
構成
1. テレコムの動向
2. ATMの動向
3. インターネットの動向
4. ATM VS. インターネット
5. 技術標準の動向
6. 将来の情報通信サービスとネットワークの動向
7. まとめと課題