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ただし、(イ)船舶が高緯度の海域にあって昼間が著しく長い場合及び所轄地方運輸局長の許可(*1)を受けて海員を旅客の接待、物品の販売等軽易な労働にもっぱら従事させる場合であって、午前零時前後に連続9時間の休息を与えたとき、(ロ)海員が船長の命令により、人命、船舶若しくは積荷の安全を図るため又は人命若しくは他の船舶を救助するため緊急を要する作業に従事するとき、については適用されないこととなっている。(ハ)また、漁船、船舶所有者と同一の家庭に属する者のみを使用する船舶についても適用されない(第86条、則第58条)。

(*1) 船舶所有者は地方運輸局長の許可を受けるためには、船舶ごとに、命令で定める事項を記載した申請書2通を提出しなければならない(則第58条第2項)。

 

(3) 女子船員に係る規定

1] 妊産婦の就業制限

(i) 妊娠中の女子については、一定の航海に関し、本人が申し出て母性保護上支障がないと医師が認めたとき及び女子の船員が妊娠中であることが航海中に判明した場合において、その者がその船舶の航海の安全を図るために必要な作業に従事するときを除いて、船内で使用してはならないこととなっている(第87条第1項)。

(ii) 出産後8週間を経過しない女子については、出産後6週間を過ぎた者が申し出て母性保護上支障がないと医師が認めた場合を除き、船内で使用してはならないこととなっている(第87条第2項)。

(iii) 妊娠中又は出産後1年以内の女子(以下「妊産婦」という。)の船員については、船員労働安全衛生規則第75条の母性保護上有害な作業に従事させてはならないこととするとともに、時間外、休日及び夜間の作業についても、原則として従事させてはならないこととなっている(第88条、第88条の2、第88条の3、第88条の4)。

(iV) 妊産婦以外の女子船員については、就業制限の対象となる作業のうち妊娠又は出産に係る機能に有害なものに従事させてはならないこととなっている(第88条の6)。

2] 生理休暇

船舶所有者は、生理日の就業が著しく困難な女子の請求があったときは、生理日に船内作業に従事させてはならないこととなっている(第88条の7)。

3] 夜間労働の禁止

船舶所有者は、妊産婦の船員を午後8時から翌朝5時までの間、作業に従事させてはならない。ただし、(イ)船舶が高緯度の海域にあって昼間が著しく長い場合及び所轄地方運輸局長の許可(*2)を受けて海員を旅客の接待、物品の販売等軽易な労働にもっぱら従事させる場合であって、午前零時前後に連続9時間の休息を与えたとき(ロ)出産後8週間を経過した妊産婦が、(a)午後8時から翌朝5時までの間の作業に従事することを申し出た場合、(b)(イ)の休息時間を短縮することを申し出た場合、においてその者の母性保護上支障がないと医師が認めたときは適用されないこととなっている。(第88条の4)

(*2) 船舶所有者は地方運輸局長の許可を受けるためには、船舶ごとに、命令で定める事項を記載した申請書2通を提出しなければならない(則第58条の3第2項)。

 

 

 

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