第3章
シンガポール
1. 港湾管理の現状
1996年1月末日まで、シンガポール港の運営と管理はシンガポール港湾庁(Port of Singapore Authority: PSA)が一元的に行ってきた。同年2月2日にシンガポール海事港湾庁(Maritime and Port Authority: MPA) が設立され、シンガポール港湾庁から港湾関連の規制業務を移管された。また、1997年10月1日にシンガポール港運営株式会社(Port of Singapore Authority Corporation Limited: PSAC)が設立され、それまでシンガポール港湾庁が担当してきた港湾サービスと港運サービスの運営と管理を移管された。同社の発行株式は、すべて政府が保有している。以下に紹介するシンガポール港の概況は、1997年の港湾庁年次報告書に基づいている
(1) 荷役施設とコンテナ・ターミナルの配置
かつて港湾庁が管理し、現在はシンガポール港運営(株)が管理しているコンテナ・ターミナルと荷役施設については、図表II-3-1のとおりである。ブラニ・ターミナル、ケッペル・ターミナル、タンジョン・パガール・ターミナルの位置関係は図表II-3-2に示されている。パシール・パンジャン・ターミナルは、シンガポール港運営(株)が1998年に供用開始したもっとも新しいコンテナ・ターミナルであり、上記のターミナル群から車で15分ほど西北に離れた場所にある。現在4バースが稼動し、99年中に2バースが供用を開始する予定である。