ですから逸か南方洋上に発達した台風があれば、うねり(夏季の土用波)として遠浅の海岸や磯には、早くから高波が打ち寄せます。うねりに普通の波が重なると更に高い波になります。そして滅多に起きないことですが、大地震が海底を震源地として起きると、大揺れが収まった後、間も無く『津波』が速い速度で伝わってやってきます。津波はうねりに比べて波長が桁違いに長い(百キロメートル以上の)大波です。深海で起きた地震津波は新幹線以上の速さで伝わり、浅い海岸や湾岸に近づくにつれスピードは落ちますが、波高は急に高まって、大きな被害を与えることもあります。海岸や磯で、大揺れが長く続く地震を感じたら、まず海岸から離れて、高台への避難をすることです。船上での大地震は、突然座礁したようなショックを感じますから、海岸に極めて近ければ直ぐ上陸して、津波に襲われる前に待避します。しかし、かなり沖合に居て、その船が航行できれば、急いで水深のある沖へ向かい、津波を避けるのが正解です。
さて台風は台風情報を、波浪は波浪予想図を津波は地震情報に続く津波予報(注意報・警報)などの、常に最も新しいものを見聞して下さい。そうした普段の普通の注意をした上で、自分の頭上の空の様子と海の実況を自分の眼で確かめることも必要です。
現代的な観天望気の要点
先ずラジオやテレビで天気予報を聞くことは欠かせません。観天望気をやるからには、天候の大要を知っていなくてはなりません。
天気の大まかな傾向とか、気圧配置の概況を心得たうえで、自分の頭上の、見える範囲の空と海の様子から、数時間先の変化を察知しようとするものです。ですから、主な対象としては、波の高まり具合はどうか、風向風速は急変があるかないか、濃霧になりそうか、霧は何時晴れそうか等を、なるべく早く知って対策をたて、危険を回避するためです。
先ず陸上で確りと空を眺めます。雲があれば雲行きを見定めて、天気の大勢に合った動き方をしているかどうか、動きがいつもより速ければ天気変化も早いし、動きが無ければ現状が続き易い。これは原則的で気圧配置によっては様々ですが、見える範囲の雲行きを見るのは大切なことで、なるべく多くの体験を積むように心掛けましょう。晴れた日の風の強まりは、大抵の場合雲の形と流れの速さに前兆が現れます。その一つがレンズ雲で、これは冬から春によく出る雲です。上空の薄雲(刷毛雲、鱗雲、鰯雲、鯖雲など)が見てすぐ判るくらい速く動くと、風は強まります。夜空の星がよく瞬くと、風が強まるのも同じ理由からで、西高東低の気圧配置が、強い場合に相当します。風向の急変は、低気圧に伴う寒冷前線が通過して、起きることが多いのですが、その時刻はその局地毎に時間差がありますから、現地で実況を見て確かめることになります。海上の波が不規則に乱れて三角波が高まるので、注意警戒が必要です。その注目点としては、水平線を見据えて、沖合遠くの高波のギザギザを早く発見することがポイントです。
夏期の局地の天気が急変するのは、大部分は雷雨です。そこで雷雲の発達しやすい条件を心得て行動すれば、回避はそれほど難しくはないと思われます。しかし雷雲が、自分の頭上で発達している場合は、落雷と豪雨が身近で始まってから慌てることがあります。順調で快適に楽しんでいると、頭上周辺での、空模様の変化には、案外に気付くのが遅れるものです。その対策として、簡易な方法は、ポケットラジオの利用です。