プレジャーボート等の海難発生状況について
第四管区海上保安本部
航行安全課
1. 海難の発生状況
平成9年の要救助船舶(救助を必要とする海難に遭遇した船舶)は、全国で1,678隻、四管では59隻であり、このうちモーターボート、ヨット、遊漁船などのプレジャーボート等の海難は、全国で629隻、四管では26隻でした。
これら要救助海難に伴う死亡・行方不明者は、全国で170人、四管では7人でした。このうちプレジャーボート等については、全国で33人、四管では1人となっています。
プレジャーボート等の海難の占める割合は、全国では約40%、四管では約44%を占め、船舶用途別で第一位となっています。
この傾向は、昭和61年から続いており、海洋レジャーの盛んな当管区の特徴となっています。
四管におけるプレジャーボート等の海難について、船型別にみますと
モーターボート 11隻 42%
水上オートバイ 5隻 19%
ヨット 3隻 12%
遊漁船等 2隻 8%
その他 5隻 19%
(手漕ぎボート・和船型ボート)
海難種類別では
衝突 9隻 35%
推進器障害 4隻 15%
転覆 4隻 15%
乗揚げ 3隻 12%
機関故障 2隻 8%
その他 4隻 15%
原因別では
見張不充分 7隻 27%
気象・海象不注意 4隻 15%
操船不適切 4隻 15%
船位不確認 2隻 8%
その他 6隻 23%
等、人為的な要因によるものが23隻であり、全体の88%を占めています。また、部署別でみますと、鳥羽10隻、名古屋6隻、四日市・蒲郡各4隻、衣浦2隻となっています。
2. 事故事例
平成9年における幾つかの事故事例を紹介します。
【事例1】乗揚げ
2月2日、モーターボートT丸は試運転のため、佐久島と日間賀島間を航行中、過去数回航行した経験から、事前の海図調査、位置確認を行わないまま航行し、浅瀬に乗揚げたもの。
人員及び船体は海上タクシーに救助された。
・主たる海難の原因 水路調査不充分
【事例2】一時行方不明
5月5日、ヨットN丸(3名乗船)は三重県神島北東海城においてセールトレーニング中、自船の位置が分からなくなり、南航し遠州灘を迷走、翌日午後四時頃神島南東約60海里において付近を航行していた漁船から自船の位置を知り、自力による帰港は困難と判断、漁船に曳航を依頼し、その後当庁巡視艇がN丸の曳航を引継ぎ救助したもの。
・主たる海難の原因 船位不確認