第3章 サーフィン・ボードセーリング
1. サーフィン
土用波の出るころになると、静岡県御前崎海岸や愛知県渥美半島の赤羽根海岸などでサーフィンを楽しもうとする青年のグループを見かけます。
このスポーツはもともとは“波のり”から発達してきたもので、大きなうねりが浅いところに押して来てくだけようとする時の波頭の水粒子の前進力を、そこに浮いているもの(人のからだ、浮き板、サーフボード等)の前進力に変えて、水上滑走を楽しむものです。従って、サーフィンがやれる場合というのは、大きなうねりの来る所で、沖の方に遠浅な所があり、そこでくずれかかった波頭がそのままで岸の方に押してこれる所、そして沖の浅い所を海浜と距離が長いほどよいとされています。サーフィンに適した海岸は我が国にはあまり多くありません。このような海岸は、サーフィンに適する海岸は普通の海水浴には良くない所です。ですからサーフィンを試みようとするには、普通の人以上に泳げ、普通の人以上の体力を持たなければなりません。
サーフィンを試みる前に波の砕ける海での水泳の練習をつみ、そういう海での波のくだけ方、海水の流れ方を十分に知っておかなければなりません。大きな波が浜に打ちあげた後、沖に引いて行く流れは早いもので、何回か波に乗りそこなった人にとってはやっかいなものです。ハワイでは数ノットになるそうです。
また、波が砕ける時は何トンもの海水がたたきつけますからこれに直撃されると相当の泳ぎ手でも波に打たれたり、巻き込まれたりして手痛い目に遭います。
くり返しますが、サーフィンは危険なスポーツですから、独りで誰もいない所でやらないように。そんな所で事故にあったら助けてもらうことはできません。
サーフィンは板に乗って滑走するスポーツです。うまく乗れなければ、サーフボードと離ればなれになります。離れたボードは波の意のままに走ります。他人の離したボードがあなたにぶつかるかも知れないし、あなたのボードがよその人を傷つけるかも知れません。注意が必要です。
方向がコントロールできないで、人にぶつかるかも知れないから、乗る前に他の人達がどこにいるかを確かめておかなければなりません。
(出所:(財)日本ヨット協会「海上安全思想普及講習会Aテキスト」)