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考察と今後の課題

 

地域教育担い手セミナーに始まり、地域環境学習クラブ発表会とネットワーキングまでという約半年間に及ぶ事業展開の中で、主催者及び、実行委員会としては、開催地10ヶ所の連絡、調整に苦心した。

この中で最も重視したのは、地域ごとの独自性と子ども達と地域の人達の自主性ということである。ともすれば、このような事業は、主催者だけが企画し、お膳立てし、行動する。しかも結論、結果は当初から折り込み済み、というものが多い。我々も、補助事業ということもあって、事業計画は充分練ったつもりである。しかしそれが余りに決められすぎると、子どもを含む参加者の自主性が損なわれ、単に踊らされているだけになってしまう。

そこで主催者は実行委員会に極力まかせ、実行委員会は参加者に極力まかせて、我々はレールから外れそうになった時に軌道修正するという形をとった。

前年度の開催地から、半数は入れ変ったため、開催地ごとに、内容や日程にバラツキが生じ、とまどいも多かったが、我々としては十分成果が上がったと考えている。

初の開催と遠隔地故心配していた札幌と松山は明暗を分けてしまった。札幌は実行委員の人材に恵まれ、十分な成果を上げたが、松山は他のプロジェクトの関係で、隣の高松市を中心とする実行委員会を組むこととなった。

2年目の開催となる仙台と横浜も明暗を分けた。仙台は昨年記録的な少雨で酸性雨調査が難航したが、今年は調査地点も宮城県全域に拡がり、充分な調査が行われた。ところが逆に、横浜は2年目の弛みがでてしまい、担い手セミナーやオリエンテーションの参加者が少なく、残念な結果となった。

同じく2年目の福岡と沖縄は、昨年の成功を上回る大きな成果を上げた。福岡では、更に充実したネットワークが形成され、沖縄では、既に平成11年度の計画まで決まっている。

岐阜では、本協会東海支部の全面的な応援を受け、時期こそ遅くなったが、行政、マスコミの支援も、十分で、立派な成果を上げた。同じく新顔の金沢はエコクラブのサポーター中心の実行委員会となり、ゴミアートやケナフの植林等ユニークな活動で注目を集めた。

大阪では、化石ウォッチングという新しいメニューが加わり、神戸ではベトナムのマングローブ調査(補助対象外)も行われ、文部省主催の「まなびピア」に彩りを添えた。

これで3年間に渡る本事業は終了し、来年度からは、今までの成果とノウハウとガイドブックを生かして、各地の支部事業として行われる。

 

 

 

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