子ども地域環境プロジェクト
今回、神戸で初めて試みた子供地域環境プロジェクト。神戸は、阪神大震災、淳君事件と揺れ続け、街の装いはかなりの復興をみるものの、大人であれ、子どもであれ、心の傷、未だ癒えずといった現状があるのも事実である。しかし、時という治療薬に、ただ身を委ねるわけにはいかない。私たちの多くが、阪神大震災、淳君事件を通して学んだ数多くの事を、今この時こそ、伝え、実践していくことこそが、人と人が、人と地域が、人と地球が共生していく未来につながると信じているからである。
今回、神戸では、社団法人日本青少年育成協会の指導の下、｢伊川のリバーウォッチング｣を実施。川という自然の恵みを通して、そこに生息する動植物の実態や、自然が人が引き起こす川のさまざまな変化を知ることによって環境を守ることの大切さを学んだ。又、神戸で開催された文部省主催の第10回｢まなびピア'98 in 兵庫｣に於いて、発表の機会をいただき、同時に金沢、大阪、名古屋の方々と交流、そしてベトナムのマングローブの体験発表も加わって頂き、まさに地域を越えたグローバルな｢子ども地域学習クラブ発表会｣が実現できた。子どもたちが、自分の5感を通し、自然と語り、人と語っていくこのプロジェクトは、子どもたちの豊かな感性を育てていく。それにもまして、地域を越えた交流は、互いの違いを知り、あるいは同じであることを知ることで、子どもたちの器をさらに柔軟にし、彼らの視野を拡げていくと、私は確信する。
最後に今回、このプロジェクトを実行するにあたり、ご指導、ご尽力いただいた、社団法人日本青少年育成協会の田中会長、近藤専務理事、亀山常任理事、山田理事に、敬意を表するとともに、ボランティアとしてご協力いただいた多くの方々に、心から感謝の意を表したい。
神戸実行委員 植田 敬三
